失敗・後悔しない家づくりブログ【新築・注文住宅】

家づくりの経験者が「失敗しない新築注文住宅のポイント」や「ハウスメーカーの比較・ランキング」などをまとめているブログです。

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【家づくり】おすすめの構造・工法はどれ?【木造・鉄骨・鉄筋】

建築現場
家のおすすめの構造が知りたい人「家を建てる上で、おすすめの構造・工法が知りたいです。また、そもそもどんな構造・工法があるのでしょうか?それぞれの特徴やメリット・デメリットも教えてほしいです…!」

こんなお悩みに答えます。

こんにちは。家づくりを経験した「とある東北人」です。

家づくりでは「構造・工法ってどれがいいんだろう?」って悩む場面がありますよね…。

私も実際、

・そもそもどんな構造・工法があるの…?
・それぞれの特徴やメリット・デメリットは…?
・木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造ではどれがいい…?

と悩んだ時期があります。

しかし、家づくりの勉強をしていくうちに、「構造・工法」についてよくわかるようになりました。

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本記事では、そんな私の経験をもとに、「おすすめの構造・工法」「家の構造・工法の種類」についてお伝えしたいと思います。

家づくりでおすすめの構造・工法

家の構造・工法

結論から言うと、基本的に「木造」が良いと思います。

中でも、

・木造軸組工法(在来工法)
・木造枠組壁工法(2×4、2×6工法)

がおすすめです。

その理由をご説明します。

木造と鉄骨造を比べた場合

まず、断熱性・省エネ性を高くしたいなら、鉄骨より木造がいいと思います。木造は鉄骨に比べて高断熱・高気密にしやすいからです。

一方、鉄は木の350倍も熱を通しやすい性質があるため、夏も冬も、家の内外で熱を伝えてしまいます。特に冬は構造体である鉄が冷えてしまい、壁の内部が結露する原因となります。それを防ぐために、さらに断熱を施すわけですが、木造レベルにすることは困難であり、断熱材の費用がムダです。

※特に、私のような寒冷地に住んでいる人は、鉄骨より木造を強くオススメします。

また、木造は間取りの自由度が高いです。一方、鉄骨は全ての材料が厳密に規格化されているため、建物のサイズは決まった寸法にしかなりません。特に、土地の面積や形状に制限がある場合は、そもそも「建築できない」という場合も少なくありません。

さらに、鉄骨は木造に比べて割高です。木造と同じような間取りや坪数で見積もりをとったとしても、坪単価が10万単位で違うこともザラです。それに比べて木造は割安な場合が多く、予算に応じた家を建てることができます。

しかし、鉄骨造にもメリットはあります。

・開口部を大きくとりたい
・大きくせり出したデザインにしたい
・3F以上の建物を作りたい

といった場合は、木造では限界があるため、鉄骨が有利です。

ただ、これらのことが「一般的な住宅レベル」で問題になることは少ないでしょう。

したがって、木造と鉄骨なら、「木造」を選ぶのがよいと思います。

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木造と鉄筋コンクリート造を比べた場合

鉄筋コンクリートは、「引っ張る力に強い鉄」と「圧力・火・水に強いコンクリート」が合わさることにより、非常に優れた性能を発揮する素材です。

そのため、ほとんどの住宅の「基礎」部分に使われています。

しかし、木造や鉄骨にくらべると扱いが難しく、正しく設計・施工しないと本来の性能を出せません。

そしてなにより、全ての構造・工法の中で「最も割高」になります。

したがって、一般的な住宅では「鉄筋コンクリート造」はあまり用いられていません。

「かなりお金をかけてでも最高性能の家にしたい」というなら話は別ですが、一般住宅レベルでは「木造のほうが全体的なコストパフォーマンスがよい」と考えられます。

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木質パネル工法はダメ?

完全にダメというわけではありませんが、いくつか問題があります。

まず、木質パネル工法は、ハウスメーカー数社でしか扱っておらず、工務店では対応できません。よって、在来工法や2×4工法などと比べると、選択肢が狭まり、費用も割高になります。

また、断熱材や下地材などを含めた「パネル」を工場で生産し、現場で組み立てるのですが、運んでいる途中に断熱材がズレてしまう可能性があります。また、パネルがに雨に濡れると、断熱材が湿ってしまい、断熱性が落ちてしまいます。

さらに、2×4工法と比べて、パネルが薄いという問題もあります。

パネルの薄さが耐震性能にどれほど影響するかは不明ですが、人によっては「ペラペラ感」を感じてしまうかもしれません。

このような問題があるため、木造の中では、

・木造軸組工法(在来工法)
・木造枠組壁工法(2×4、2×6工法)

のいずれかが良いと思います。

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家の構造・工法の種類

木と鉄とコンクリート

そもそも、「家の構造・工法」にはどんな種類があるのでしょうか?

家の構造・工法は「構造体の素材」によって、

・木造
・鉄骨造
・鉄筋コンクリート造

の3つに大きく分かれ、さらに種類別に分けることができます。

下記のとおりです。

構造 工法 説明 代表的な業者(50音順)
木造


木造軸組工法(在来工法) ・柱・梁・筋交いなどの木材を組み合わせて骨組みを作る日本の伝統的な工法
・日本の住まいの7割を占める
・アイフルホーム
・一条工務店
・クレバリーホーム
・住友不動産
・住友林業
・積水ハウス
・ダイワハウス
・タマホーム
・日本ハウスHD (旧:東日本ハウス)
・ミサワホーム
・ユニバーサルホーム
・レオハウス
木造枠組壁工法(2×4、2×6工法) ・断面が2×4インチ(もしくは2×6インチ)の木材作った枠組みに構造用合板を釘打ちして「面構造」を作る工法 ・一条工務店
・住友不動産
・セキスイハイム
・セルコホーム
・トヨタウッドユーホーム
・三井ホーム
・三菱地所ホーム
・レオハウス
木質パネル工法 ・床・壁・天井パネルを工場生産して現場に運んび「面構造」に組み立てる工法
・施工には接着剤を使う
・スウェーデンハウス
・ミサワホーム
・ヤマダホームズ
鉄骨造

軽量鉄骨軸組工法(プレハブ工法) ・柱や梁に厚さ3〜5mmの軽量鉄骨を使い、筋交い(ブレース)で補強する工法
・木造軸組工法の鉄骨版
・セキスイハイム
・積水ハウス
・ダイワハウス
・トヨタホーム
・パナソニックホームズ
・ヘーベルハウス
・ミサワホーム
重量鉄骨ラーメン工法 ・柱や梁に厚さ6〜9mmの鉄骨を使い、接合部をボルトなどで一体化させる工法
・ラーメンとはドイツ語で「枠」のこと
・積水ハウス
・ダイワハウス
・ヘーベルハウス
・ミサワホーム
鉄筋コンクリート造 鉄筋コンクリート造 ・鉄筋コンクリートを使って作る工法
・鉄筋コンクリートを柱や梁にする「ラーメン工法」と、壁と床にする「壁式工法」がある
・大成建設ハウジング(パルコン)
・ミサワホーム
※たいていの大手で対応可能

以下、それぞれの工法について簡単に説明します。

木造軸組工法(在来工法)

木造で最もポピュラーな工法です。大手のハウスメーカーから地元の工務店まで、多くの業者が扱えるため、選択肢には必ず入ってくると思います。

木造枠組壁工法(2×4、2×6工法)

木造では2番目にポピュラーな工法です。在来工法と比べると扱える業者が少ないですが、ハウスメーカーでも工務店でも対応できます。

木質パネル工法

木造ではマイナーな工法です。ハウスメーカー数社でしか扱っておらず、工務店では対応できません。

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軽量鉄骨軸組工法(プレハブ工法)

一般的な住宅で「鉄骨」といえば、ほぼこの工法を指しています。「鉄骨」を検討したい人は選択肢に入れましょう。ちなみに工務店では対応できません。

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重量鉄骨ラーメン工法

鉄骨の工法ですが、主に施設やビルの建設で使われており、一般的な住宅ではあまり採用されません。なので、選択肢として考慮しなくてもよいと思います。

鉄筋コンクリート造

鉄筋コンクリート自体の性能は素晴らしいのですが、一般住宅レベルでコスパが良いとは言えません。

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家の構造・工法別のメリット・デメリット

メリット・デメリット

家の構造・工法別の「メリット・デメリット」は下記のとおりです。

構造 工法 メリット デメリット
木造


木造軸組工法(在来工法) ・間取りの自由度が高い
・増改築しやすい
・設計や施工次第で耐震性に差が出る
・職人の腕により、仕上がりにバラツキが出る
木造枠組壁工法(2×4、2×6工法) ・耐震性、断熱性、気密性、遮音性が高い
・施工が簡単なので、均一に仕上がる
・工期が短い
・設計の自由度が低い
・大きな開口部を取りづらい
・後から増改築しづらい
木質パネル工法 ・部材を工場生産するので品質が安定している
・職人の腕によるバラツキが少ない
・工期が短い
鉄骨造

軽量鉄骨軸組工法(プレハブ工法) ・地震に強い
・鉄筋コンクリート造よりも軽量で経済的
・部材を工場生産するので品質が安定している
・職人の腕によるバラツキが少ない
・工期が短い
・熱を伝えてしまう
・水がつくとさびやすい
・木造より建築費が高い
重量鉄骨ラーメン工法 ・地震に強い
・部材を工場生産するので品質が安定している
・職人の腕によるバラツキが少ない
・工期が短い
・大きな開口部が取れる
・増改築しやすい
鉄筋コンクリート 鉄筋コンクリート造 ・耐震性、耐火性、耐久性、遮音性に優れる
・ラーメン工法は増改築にも対応できる
・工期が長い
・木造、鉄骨造より建築費が高い
・現場の施工精度にバラツキが出やすい

※なお、構造・工法について詳しく知りたい場合は、書籍もおすすめです。

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家の構造・工法の項目別の比較

チェックリスト

家の構造・工法の「項目別の比較」は下記のとおりです。

木造 鉄骨 鉄筋
在来工法 2×4工法 木質パネル工法 軽量鉄骨 重量鉄骨 鉄筋コンクリート造
1.費用
2.工期
3.間取りの自由度
4.耐震性
5.断熱性
6.気密性
7.耐火性
8.耐久性
9.防音性
10.リフォーム性

1つずつ、解説していきます。

1. 費用

木造が割安で、次に鉄骨、そして鉄筋コンクリートが最も割高になります。

在来工法と2×4工法は多くの工務店で施工可能なため、最も割安になります。

一方、木質パネル工法はハウスメーカーでしか扱いがないため、やや割高になります。

▼坪単価(参考)
・在来工法:40〜70万円
・2×4工法:40〜70万円
・木質パネル工法:60〜70万円
・軽量鉄骨:60〜70万円
・重量鉄骨:70〜90万円
・鉄筋コンクリート造:90〜100万円

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2. 工期

工場でほとんどの材料を組み立ててくる木質パネル工法と軽量鉄骨が一番短いです。

その次に短いのは在来工法、2×4工法、重量鉄骨です。

鉄筋コンクリートが一番工期がかかります。

3. 間取りの自由度

在来工法、重量鉄骨、鉄筋コンクリートが最も自由度が高いです。

2×4工法と木質パネル工法はやや制約があり、軽量鉄骨は土地の広さや形に最も影響を受けます。

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4. 耐震性

はっきり言って、一般住宅レベルの耐震性は、構造・工法によって大きく変わることはありません。

「鉄骨の方が木造よりも強い」というのは「根拠のない営業トーク」です。

きちんと設計・施工されていれば、在来工法で建てたとしてもまったく問題ありません。

耐震性については、下記の記事で解説しています。

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5. 断熱性

これは木造に軍配があがります。中でも2×4工法や木質パネル工法は断熱材をきちんと入れやすいため、在来工法よりも断熱性を上げやすいです。

鉄骨は家の内外の熱を通しやすいため(ヒートブリッジ)、断熱には限界があります。

なお、鉄筋コンクリートはしっかりした設計・施工をすれば、断熱性は上げられます。

断熱性については、下記の記事で解説しています。

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6. 気密性

鉄筋コンクリートは基本的に隙間がないので、気密性はダントツです。

しかし、2×4工法も気密性を上げやすいと言われています。

鉄骨系は「熱によって鉄が伸縮する」という性質上、どうしても隙間ができてしまいます。

気密性については、下記の記事で解説しています。

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7. 耐火性

単純な耐火性で言えば鉄筋コンクリートが一番です。コンクリートは1000度の火に2時間さらしても強度が変わらないと言われています。

一方、鉄は500度くらいで強度は半分以下になり、変形してしまいます。

しかし、木造や鉄骨も現在は燃えにくい処理・加工が施されており、耐火性は問題ありません。

8. 耐久性

木は湿気やシロアリ、鉄はサビ、コンクリートは空気中の酸による中性化という劣化の原因があります。

それを踏まえた耐久性の目安として、木造で35年、鉄骨で45年、鉄筋コンクリートで55年といわれていますが、実際はきちんと対策・施工されているかのほうが重要です。

木造住宅では防腐・防蟻がしっかり行われていることが多い一方で、鉄骨や鉄筋コンクリートは対策が甘いことが多く、注意が必要です。

9. 防音性

単純な防音性ならば鉄筋コンクリートが1番です。重い材料ほど防音性が高いためです。

しかし、それ以外は構造によってそこまで変わらないため、各業者の防音性を確認したほうがよいでしょう。

防音性ついては、下記の記事で解説しています。

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10. リフォーム性

リフォームのしやすさは重量鉄骨と鉄筋コンクリートが最も簡単です。構造上の柱となる部分が少なく、それ以外は全て壊しても問題ないからです。

次にリフォームしやすいのは在来工法です。間取りの変更によっては構造に補強が必要になってきますが、どの業者でも手を加えることができるため、リフォーム性が高いといえます。

リフォームしにくいのは2×4工法、木質パネル工法、軽量鉄骨です。いずれも詳細な設計図がないと、どのような構造になっているのかがわからないため、それを建てた業者でないと手出しできません。また、間取りの制限も大きいです。

【まとめ】家づくりで失敗しないために

記事のまとめ

本記事では、「おすすめの構造・工法」「家の構造・工法の種類」についてお伝えしてきました。

私がおすすめする構造・工法は、

・木造軸組工法(在来工法)
・木造枠組壁工法(2×4、2×6工法)

です。

その理由は、

・最もお金がかからない
・自由な間取りにできる(※2×4は制約あり)
・断熱性・省エネ性を高くできる
・コストパフォーマンスやバランスが良い

からです。

また、構造・工法以外にも「家づくりで大切なポイント」がいくつかあります。

詳しくは、下記の記事を参考にしてください。

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