こんなお悩みに答えます。
もくじ
こんにちは。家づくりを経験した「とある東北人」です。
新築の注文住宅を建てるときに、
・ハウスメーカーか工務店かで悩む…
・地域密着の地元の建築会社を探すには?
・住宅会社の絞り込み方や見極めのコツって?
と悩む人も少なくないでしょう。
本記事では、そんな人に役立つ「ハウスメーカーや工務店の探し方・選び方・決め方のポイント」をご紹介したいと思います。
【ハウスメーカー&工務店】選び方のポイント8選
まず、ハウスメーカーや工務店の「選び方のポイント」をお伝えします。
全部で8個ありますので、1つずつ説明します。
1. ハウスメーカーと工務店の特徴を知る
1つ目のポイントは「ハウスメーカーと工務店の違いを知る」ことです。
ハウスメーカーと工務店(パワービルダー)には、下記のような「特徴」があります。
種類 | 特徴 |
---|---|
ハウスメーカー | 「全国に広い営業エリアを持つ、大規模な住宅会社」のこと。営業や設計など、各担当がしっかり組織化されているのが特徴。施工そのものは、地元の工務店などが担当するケースが多い。 |
工務店 | 「営業エリアが狭い、地域に密着した小規模な住宅会社」のこと。社長と数名の大工さん、事務員さんという小さな組織であることがほとんど。設計から施工までを一貫して請け負う。 |
パワービルダー | 「ハウスメーカーと工務店の中間にあるような住宅会社」のこと。ハウスメーカーほど大きくないものの、1〜3つくらいの都道府県に営業エリアを広げ、年間30棟以上、場合によっては数百〜数千棟の着工棟数がある。 |
また、それぞれに、下記のような「メリット・デメリット」があります。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ハウスメーカー | ・対応力があり、家づくり全般に対するサービスが充実している ・材料の多くを工場生産するため、品質のムラを少なくできる ・組み立てがシステム化されており、施工のバラツキを少なくできる ・一般的に、完成までにかかる時間が短い |
・工務店に比べて割高なことが多い ・担当者によって力量がまったく異なる ・施工は下請けの工務店が担当すること多く、業者によって施工にバラツキが出る ・規格があるため、細かい要望に対応できないことが多い |
工務店 | ・ハウスメーカーに比べて割安なことが多い ・設計の自由度が高く、細かな要望にこたえられる ・地元の信用が第一のため、迅速に対応してくれることが多い ・高性能な家づくりを重視している業者もいる |
・対応力やサービスの充実度は業者によってさまざま ・業者によって施工レベルにバラツキがある ・斬新なデザインの提案などが苦手なことが多い ・工事がずれ込むなど、完成までに時間がかかることもある |
パワービルダー | ・安定感があるように見える ・家づくり全般に対するサービスが充実している ・展示場がありイメージをつかみやすい ・価格も抑えられている |
・工務店・ハウスメーカーどっちつかず ・営業力・設計力はハウスメーカーほど強くない ・1棟1棟の管理体制が行き届かない場合がある ・規格商品の場合、こだわれば高くなることがある |
まずは、このような「特徴」や「メリット・デメリット」を把握しましょう。
2. 構造・工法の違いを知る
2つ目のポイントは「構造・工法の違いを知る」ことです。
ハウスメーカーや工務店は、扱う「構造・工法」によって、下記のように分類されます。
構造 | 工法 | 特徴 |
---|---|---|
木造 |
木造軸組工法(在来工法) | ・柱・梁・筋交いなどの木材を組み合わせて骨組みを作る日本の伝統的な工法 ・日本の住まいの7割を占める |
木造枠組壁工法(2×4、2×6工法) | ・断面が2×4インチ(もしくは2×6インチ)の木材作った枠組みに構造用合板を釘打ちして「面構造」を作る工法 | |
木質パネル工法 | ・床・壁・天井パネルを工場生産して現場に運んび「面構造」に組み立てる工法 ・施工には接着剤を使う |
|
鉄骨造 |
軽量鉄骨軸組工法(プレハブ工法) | ・柱や梁に厚さ3〜5mmの軽量鉄骨を使い、筋交い(ブレース)で補強する工法 ・木造軸組工法の鉄骨版 |
重量鉄骨ラーメン工法 | ・柱や梁に厚さ6〜9mmの鉄骨を使い、接合部をボルトなどで一体化させる工法 ・ラーメンとはドイツ語で「枠」のこと |
|
鉄筋コンクリート造 | 鉄筋コンクリート造 | ・鉄筋コンクリートを使って作る工法 ・鉄筋コンクリートを柱や梁にする「ラーメン工法」と、壁と床にする「壁式工法」がある |
また、それぞれ下記のような「メリット・デメリット」があります。
構造 | 工法 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
木造 |
木造軸組工法(在来工法) | ・間取りの自由度が高い ・増改築しやすい |
・設計や施工次第で耐震性に差が出る ・職人の腕により、仕上がりにバラツキが出る |
木造枠組壁工法(2×4、2×6工法) | ・耐震性、断熱性、気密性、遮音性が高い ・施工が簡単なので、均一に仕上がる ・工期が短い |
・設計の自由度が低い ・大きな開口部を取りづらい ・後から増改築しづらい |
|
木質パネル工法 | ・部材を工場生産するので品質が安定している ・職人の腕によるバラツキが少ない ・工期が短い |
||
鉄骨造 |
軽量鉄骨軸組工法(プレハブ工法) | ・地震に強い ・鉄筋コンクリート造よりも軽量で経済的 ・部材を工場生産するので品質が安定している ・職人の腕によるバラツキが少ない ・工期が短い |
・熱を伝えてしまう ・水がつくとさびやすい ・木造より建築費が高い |
重量鉄骨ラーメン工法 | ・地震に強い ・部材を工場生産するので品質が安定している ・職人の腕によるバラツキが少ない ・工期が短い ・大きな開口部が取れる ・増改築しやすい |
||
鉄筋コンクリート造 | 鉄筋コンクリート造 | ・耐震性、耐火性、耐久性、遮音性に優れる ・ラーメン工法は増改築にも対応できる |
・工期が長い ・木造、鉄骨造より建築費が高い ・現場の施工精度にバラツキが出やすい |
このように、構造・工法によって「特徴」や「メリット・デメリット」が異なってくるので、業者ごとにチェックしましょう。
3. 金額・坪単価を比較する
3つ目のポイントは「金額・坪単価を比較する」ことです。
おおよその坪単価によって、下記のように業者を分類することができます。
・超ローコスト:20万円〜
・ローコスト:30万円〜50万円
・中堅:50万円〜70万円
・大手:70万円〜
なお、この坪単価は「ざっくりとした目安」であり、正確には「見積もり書」を取って確認する必要があります。
4. 性能を比較する
4つ目のポイントは「性能を比較する」ことです。
特に、
・耐震性能
・断熱性能
・気密性能
の3つは「とても重要な性能」なので、業者を選ぶ際にチェックしましょう。
詳しくは、下記の「比較ランキング記事」を参考にしてください。
-
【耐震性能が高い】ハウスメーカーランキング【地震に強い頑丈な家】
続きを見る
-
【ハウスメーカーの断熱性能】Q値・UA値ランキング【75社比較】
続きを見る
-
【気密性能が高いハウスメーカー】37社の比較・ランキング【C値】
続きを見る
5. 会社をチェックする
5つ目のポイントは「会社をチェックする」ことです。
チェック項目は、下記のとおりです。
No. | チェック項目 | 備考 |
---|---|---|
1 | 来客の応対が丁寧か? | 人間性・雰囲気のチェック。 |
2 | 清掃や整理整頓されているか? | 人間性・雰囲気のチェック。 |
3 | 地理的に近いか? | 対応力やコスト面を考えると、事務所や営業所は近い方がよい。 |
4 | 従業員数は? | マンパワーのチェック。ハウスメーカーならエリア内の人数。 |
5 | 昨年の着工棟数は? | 実績のチェック。ハウスメーカーなら、エリア内の棟数。 |
6 | 着工棟数÷従業員数は? | この値が大きいほど、1棟あたりにかかるマンパワーが少なくなる。 |
7 | 建築士の数は? | 技術力・マンパワーのチェック。建築士が設計や現場管理をするため。 |
8 | 現場の見学はOKか? | 技術力のチェック。普通はOKのはずなので、NGの場合は問題あり。 |
9 | 構造計算をしているか? | 技術力のチェック。全棟計算しているか? |
10 | 省エネ計算をしているか? | 技術力のチェック。UA値やηc値を全棟計算しているか? |
11 | 気密測定をしているか? | 技術力のチェック。C値を全棟測定しているか? |
12 | 住宅性能表示制度の実績は? | 技術力・事務能力のチェック。この制度を利用するにはそれなりの技術力と法律知識が必要なため。 |
13 | 第三者検査はOKか? | 技術力のチェック。設計図、現場、引き渡し前など第三者による立会い(インスペクション)を行ってもよいなら、技術力に自信がある証拠。 |
14 | 完成保証はあるか? | 経営状態・保証力のチェック。建設中に会社が倒産した場合の保証。経営的にまずい業者は入れないので、会社を見る指標になる。 |
15 | 地盤保証はあるか? | 保証力のチェック。地盤沈下などに対する保証はあるか? |
16 | アフターサービスはあるか? | 保証力のチェック。アフターサービスや点検に具体的な計画があるか? |
事務所や営業所を訪れたときに、それとなく確認してみましょう。
6. 営業マン(担当者)をチェックする
6つ目のポイントは「営業マン(担当者)をチェックする」ことです。
チェック項目は、下記のとおりです。
No. | チェック項目 | 備考 |
---|---|---|
1 | 資格は? | 建築士などを持っているとより良い。 |
2 | 出身と現在の住まいは? | 転勤によって担当者が変わらないかをチェック。 |
3 | 勤続年数は? | 実績のチェック。短い場合は前職を聞く。 |
4 | 昨年の契約棟数は? | 実績のチェック。営業マンの中で何位か? |
5 | 社会人としてのマナーは? | 時間を守る、身だしなみ、言葉づかいなど。 |
6 | 生理的に受け付けないタイプでないか? | 相性のチェック。 |
7 | 自分の話ばかりせず、相談に乗ってくれるか? | サービス力のチェック。 |
8 | 契約をとるよりも、こちらの納得・満足を優先しているか? | サービス力のチェック。 |
9 | 知識が豊富か?質問に対する回答が早いか? | サービス力のチェック。 |
10 | 専門的な内容もわかりやすく説明してくれるか? | サービス力のチェック。 |
11 | わからないことはごまかさず、調べて回答してくれるか? | サービス力・人間性のチェック。 |
12 | デメリットも説明してくれるか? | 人間性のチェック。 |
13 | 他社を悪く言っていないか? | 人間性のチェック。 |
14 | こちらの希望にそえない場合でも、できる限り代替案を出してくれるか? | サービス力のチェック。 |
15 | こちらの希望と違うものをすすめてこないか? | サービス力のチェック。 |
16 | 予算を引き上げる話ばかりしないか?予算を抑える話をしてくれるか? | サービス力のチェック。 |
17 | 契約を急がせたり、しつこく営業してこないか? | サービス力のチェック。 |
何回かやり取りをする間にわかってきますので、チェックしてみましょう。
7. 現場をチェックする
7つ目のポイントは「現場をチェックする」ことです。
チェック項目は、下記のとおりです。
No. | チェック項目 | 備考 |
---|---|---|
1 | 職人の雰囲気はいいか? | 業者と職人の関係性や、現場の統制が取れているかがわかる。 |
2 | 現場や工具などがきれいに整理整頓されているか? | 技術力のチェック。 |
3 | 現場監督の平均担当件数が多すぎないか? | 技術力・マンパワーのチェック。棟数が多いほど1棟あたりの管理力が落ちる。 |
4 | 材料や構造体が雨に濡れないようしているか?(雨養生) | 技術力のチェック。 |
5 | 構造用合板に対する釘がめり込みすぎていないか? | 技術力のチェック。めり込みが深いと地震のときに合板が裂けやすくなる。1mm程度ならOK。 |
6 | 断熱材や貫通部分にすき間はないか? | 技術力のチェック。隙間があると断熱性がかなり落ちる。内部結露の原因にもなる。 |
現場見学をお願いして、見せてもらいましょう。
8. 本で勉強する
8つ目のポイントは「本で勉強する」ことです。
「ハウスメーカーや工務店の選び方」を知るのにおすすめの本は、下記の記事にまとめてあります。
-
【家を建てる】家づくりの本&雑誌おすすめ20選【注文住宅の勉強】
続きを見る
参考にしてみてください。
【ハウスメーカー&工務店】決め方のポイント5選
次に、ハウスメーカーや工務店の「決め方のポイント」をお伝えします。
全部で5個ありますが、どれも大事なのでしっかりチェックしましょう。
1. 要望がきちんと反映されているか?
1つ目のポイントは「要望がきちんと反映されているか?」ということです。
なぜなら、
・A社:総額は安いが、要望が十分に反映されていない
・B社:総額は高いが、要望が十分に反映されている
という場合は、単純に比較できないからです。
なので、業者を決める際は、
・坪数
・間取り(部屋数、広さ)
・性能(耐震性、断熱性など)
・デザイン(内装、外観)
・設備
・仕様
…etc
といった点において、「こちらの要望が十分に反映されている」ことをまず確認してから、金額や細かいプランの違いを比較検討していくようにしましょう。
2. 明細見積もり書を出してくれるか?
2つ目のポイントは「明細見積もり書を出してくれるか?」ということです。
典型的なダメな業者の例として、
全ての項目が「一式」で書かれた「一式見積もり書」を出してくる
という場合があります。
これでは、具体的な項目が分からず、比較やチェックをすることができません。
そうではなく、使用する材料などの、
・名称
・グレード
・品番
・数量
・単価
などの費用がしっかり書かれた「明細見積もり書」を出してくれる業者かどうかをチェックしましょう。
3. 見積もり書で抜けている項目がないか?
3つ目のポイントは「見積もり書で抜けている項目がないか?」ということです。
例えば、本来必須であるはずの、
・仮設工事
・基礎工事
・外構工事
といった項目が、業者によって「抜けている」あるいは「別途見積もり」の場合があります。
これでは、当初の見積もり金額は割安に感じても、後で「数百万円」の追加費用が発生する可能性が高いです。
なので、見積もり書の項目を抜いて「割安感を演出」する業者は避け、最初から「全ての項目が含まれた見積もり書」を出してくれる業者を選びましょう。
4. 契約(仮契約)を急がせないか?
4つ目のポイントは「契約(仮契約)を急がせないか?」ということです。
営業マンと話を進めていくと、
まずは「契約」をしましょう。いま「契約」をしていただくと、特別キャンペーンで「◯◯万円」お安くなりますよ。契約といってもこれは「仮契約」なので、詳しい間取りや仕様は、後からでも決められますから。
と急がせる場合がありますが、絶対にやめましょう。
なぜなら、これは「仮契約」ではなく、実は「本契約」だからです。
※いくら営業マンが「仮契約」と言い張ったとしても、建築請負契約書にサイン+押印した時点で、民法上は「本契約」となります。
なので、契約(仮契約)を急がせる業者は避けるようにしましょう。
5. 第三者チェックを受け入れてくれるか?
5つ目のポイントは「第三者チェックを受け入れてくれるか?」ということです。
依頼先のハウスメーカーや工務店とは別に、
・設計図や見積もり書のチェック
・建築工事の現場チェック
・引き渡し前のチェック
などを、第三者の建築士が行ってくれるサービスがあります。
こうした外部のチェックを受け入れてくれるか、依頼先の業者に聞いてみましょう。
第三者のチェックを受け入れてくれる業者は、良い業者である可能性が高いです。
【ハウスメーカー&工務店】探し方のポイント3選
ハウスメーカーや工務店の「探し方のポイント」をお伝えします。
全部で3つあります。
1. いきなり住宅展示場には行かない
1つ目のポイントは「いきなり住宅展示場には行かない」ことです。
なぜなら、おそろしく時間がかかる上、しつこい営業を受けることもあり、かなり効率が悪いからです。
※また、住宅展示場は、坪単価が実際の2倍くらいの「豪華な作り」になっており、現実的に参考になりません。
たいていの情報は、カタログなどの「公式資料」に全て書いてあります。
なので、まずは資料を自宅に取り寄せて読み込むのが先です。
その上で、
・資料を読んでわからなかったことを質問する
・会社や担当者(営業マン)の良し悪しをチェックする
ために住宅展示場に行く、という順番がおすすめです。
2. ハウスメーカーはポータルサイトで探す
2つ目のポイントは「ハウスメーカーはポータルサイトで探す」ことです。
ハウスメーカーについては、下記の「ポータルサイト」で探すことができます。
いずれも、多くの人が利用している定番サイトであり、有名な業者は全て掲載されています。
また、無料で利用でき、カタログや間取り集などを一括で郵送してもらえるので便利です。
3. 工務店はJBNの会員検索で探す
3つ目のポイントは「工務店はJBNの会員検索で探す」ことです。
特に、地元の優良工務店などは、中小工務店の全国組織である「全国工務店協会(JBN)」の会員検索から探すと効率的です。
JBNには、全国47都道府県で3,000社以上が登録しているため、地元の工務店をほぼカバーすることができます。
【厳選おすすめ】ハウスメーカー&工務店選びに便利なサイト
本記事では、「ハウスメーカーや工務店の選び方・決め手・探し方のポイント」についてご紹介してきました。
ところで、
ハウスメーカーや工務店の選び方は分かったけど、具体的に何からすればいいの?
という人もいると思います。
そんなときは「タウンライフ」というサイトを使うと便利です。
その理由は、
・無料で利用できる
・有名ハウスメーカーや工務店が間取りと見積もりを作ってくれる
・複数の業者から一斉に間取り図と見積もり書を集められる
からです。
1回のフォーム入力だけで、さまざまな業者から「間取りプラン」と「見積もり書」を簡単に集められるので、手間がかかりません。
使ったことのない人は、いちど試してみると良いでしょう。
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