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平屋なら鉄骨より木造のメリットが大きいという話【経験者が教える】

平屋では木造と鉄骨のどちらが良いか?
平屋を考えている人「平屋では木造と鉄骨でどちらがいいのでしょうか…?それぞれにメリット・デメリットがあると思うのですが、どう決めていいかわかりません…。」

こんなお悩みに答えます。

こんにちは。家を平屋に建て替えた「とある東北人」です。

家づくりでは「木造と鉄骨ってどちらがいいんだろう?」って悩む場面がありますよね…。

私も実際、

・木造は安そうだけど、地震や火に弱い…?
・鉄骨は強そうだけど高いかも…?

くらいの知識やイメージしかありませんでした笑。

しかし、本などでいろいろ調べていくうちに、それぞれの「特徴」や「メリット・デメリット」がわかり、最終的に「木造」を選ぶことができました。

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本記事では、そんな私の経験をもとに、「平屋なら鉄骨より木造のメリットが大きい」という話をお伝えしたいと思います。

平屋なら鉄骨より木造のメリットが大きい

木造住宅の室内

結論からいうと、「平屋なら鉄骨より木造のメリットが大きい」です。

その理由は下記の4つです。

1. 木造の方が鉄骨より割安
2. 木造の方が鉄骨より高断熱にしやすい
3. 3F以上を作れるという鉄骨の長所を活かせない
4. 木造の方が鉄骨より間取りの自由度が高い

それぞれ、説明していきます。

1. 木造の方が鉄骨より割安

まず、「木造の方が鉄骨より割安」だからです。

坪単価で言えば、

木造:40〜70万円
鉄骨造:60〜90万円

くらいの差があります。

※例えば、木造と鉄骨で「坪単価が10万円違う」としたら、30坪の建物では300万円もの違いになるのです。

そもそも、平屋は同じ坪数(延床面積)の2F建てに比べて、坪単価が割高になります。

それは「基礎」と「屋根」の面積が2倍必要だからです。

一般的に、基礎や屋根の工事費は、「建物全体の工事費の10%程度」を占めますから、2F建てに比べて「最低10%は余計にかかる」計算になります。

※同じ坪数(延床面積)の場合、2F建てで2,000万円だったら、平屋は2,200万円以上になるということです。

この「ただでさえ割高になる平屋」のコストを抑えるためには、「鉄骨よりも木造が良い」といえるのです。

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2. 木造の方が鉄骨より高断熱にしやすい

次に、「木造の方が鉄骨より高断熱にしやすい」からです。

鉄は木の350倍も熱を通しやすい性質があるため、夏も冬も、家の内外で熱を伝えてしまいます。

※特に冬は構造体である鉄が冷えてしまい、壁の内部が結露する原因となります。

それを防ぐために、さらに断熱を施すわけですが、木造レベルにすることは困難であり、断熱材の費用がムダです。

まして平屋は、同じ坪数(延床面積)の2F建てと比べて、壁・床・屋根などの「外の空気に触れる部分の面積」が増えるため、家の内外で移動する熱の総量が増えてしまうのです。

つまり、平屋はふつう以上に断熱を意識する必要があるため、「高断熱にしやすい木造のほうが良い」のです。

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3. 3F以上を作れるという鉄骨の長所を活かせない

鉄骨にあって木造にない長所として、

・3F以上の建物を無理なく作れる
・大きくせり出したデザインを作れる

ということが挙げられます。

※現に、高層ビルは鉄骨でできているものが大半です。

しかし、平屋住宅はそもそも1Fしかなく、せり出しもありません。

なので、平屋では鉄骨の長所を活かすことができないのです。

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4. 木造の方が鉄骨より間取りの自由度が高い

さらに、「木造の方が鉄骨より間取りの自由度が高い」という理由もあります。

木造は基本的にどんな間取りでも作れます。

しかし、鉄骨は全ての材料が厳密に規格化されているため、建物のサイズは決まった寸法にしかなりません。

特に、土地の面積や形状に制限がある場合は、そもそも「建築できない」という場合も少なくありません。

平屋住宅は、この「土地の面積や形状」の影響をもろに受けやすいため、鉄骨では間取りの自由度が極端に制限されてしまう可能性が大きいのです。

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Q. 耐震性・耐火性・耐久性などは?

ここまで、「平屋なら鉄骨より木造のメリットが大きい」理由として、

・費用
・断熱性
・間取りの自由度

などで比較を行ってきました。

しかし、

・耐震性
・耐火性
・耐久性
・防音性
…etc

といったことついては、木造と鉄骨の比較をしていません。

なので、これ以降は「工法別の特徴」「メリット・デメリット」「性能の比較」などを詳しく解説していきたいと思います。

木造・鉄骨の工法別の特徴

建築現場

「木造・鉄骨の工法」は種類別に分けることができます。

下記のとおりです。

構造 工法 説明 代表的な業者(50音順)
木造


木造軸組工法(在来工法) ・柱・梁・筋交いなどの木材を組み合わせて骨組みを作る日本の伝統的な工法
・日本の住まいの7割を占める
・アイフルホーム
・一条工務店
・クレバリーホーム
・住友不動産
・住友林業
・積水ハウス
・ダイワハウス
・タマホーム
・日本ハウスHD (旧:東日本ハウス)
・ミサワホーム
・ユニバーサルホーム
・レオハウス
木造枠組壁工法(2×4、2×6工法) ・断面が2×4インチ(もしくは2×6インチ)の木材作った枠組みに構造用合板を釘打ちして「面構造」を作る工法 ・一条工務店
・住友不動産
・セキスイハイム
・セルコホーム
・トヨタウッドユーホーム
・三井ホーム
・三菱地所ホーム
・レオハウス
木質パネル工法 ・床・壁・天井パネルを工場生産して現場に運んび「面構造」に組み立てる工法
・施工には接着剤を使う
・スウェーデンハウス
・ミサワホーム
・ヤマダホームズ
鉄骨造

軽量鉄骨軸組工法(プレハブ工法) ・柱や梁に厚さ3〜5mmの軽量鉄骨を使い、筋交い(ブレース)で補強する工法
・木造軸組工法の鉄骨版
・セキスイハイム
・積水ハウス
・ダイワハウス
・トヨタホーム
・パナソニックホームズ
・ヘーベルハウス
・ミサワホーム
重量鉄骨ラーメン工法 ・柱や梁に厚さ6〜9mmの鉄骨を使い、接合部をボルトなどで一体化させる工法
・ラーメンとはドイツ語で「枠」のこと
・積水ハウス
・ダイワハウス
・ヘーベルハウス
・ミサワホーム

以下、それぞれの工法について簡単に説明します。

木造軸組工法(在来工法)

木造で最もポピュラーな工法です。大手のハウスメーカーから地元の工務店まで、多くの業者が扱えるため、選択肢には必ず入ってくると思います。

木造枠組壁工法(2×4、2×6工法)

木造では2番目にポピュラーな工法です。在来工法と比べると扱える業者が少ないですが、ハウスメーカーでも工務店でも対応できます。

木質パネル工法

木造ではマイナーな工法です。ハウスメーカー数社でしか扱っておらず、工務店では対応できません。

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軽量鉄骨軸組工法(プレハブ工法)

一般的な住宅で「鉄骨」といえば、ほぼこの工法を指しています。「鉄骨」を検討したい人は選択肢に入れましょう。ちなみに工務店では対応できません。

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重量鉄骨ラーメン工法

鉄骨の工法ですが、主に施設やビルの建設で使われており、一般的な住宅ではあまり採用されません。なので、選択肢として考慮しなくてもよいと思います。

木造・鉄骨のメリット・デメリット

メリット・デメリット

木造・鉄骨の工法別の「メリット・デメリット」は下記のとおりです。

構造 工法 メリット デメリット
木造


木造軸組工法(在来工法) ・間取りの自由度が高い
・増改築しやすい
・設計や施工次第で耐震性に差が出る
・職人の腕により、仕上がりにバラツキが出る
木造枠組壁工法(2×4、2×6工法) ・耐震性、断熱性、気密性、遮音性が高い
・施工が簡単なので、均一に仕上がる
・工期が短い
・設計の自由度が低い
・大きな開口部を取りづらい
・後から増改築しづらい
木質パネル工法 ・部材を工場生産するので品質が安定している
・職人の腕によるバラツキが少ない
・工期が短い
鉄骨造

軽量鉄骨軸組工法(プレハブ工法) ・地震に強い
・鉄筋コンクリート造よりも軽量で経済的
・部材を工場生産するので品質が安定している
・職人の腕によるバラツキが少ない
・工期が短い
・熱を伝えてしまう
・水がつくとさびやすい
・木造より建築費が高い
重量鉄骨ラーメン工法 ・地震に強い
・部材を工場生産するので品質が安定している
・職人の腕によるバラツキが少ない
・工期が短い
・大きな開口部が取れる
・増改築しやすい

※なお、構造・工法について詳しく知りたい場合は、書籍もおすすめです。

家づくりの本
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耐震性・耐火性・耐久性などの比較

チェックリスト

木造と鉄骨の「耐震性・耐火性・耐久性などの比較」は下記のとおりです。

木造 鉄骨
在来工法 2×4工法 木質パネル工法 軽量鉄骨 重量鉄骨
1.費用
2.工期
3.間取りの自由度
4.耐震性
5.断熱性
6.気密性
7.耐火性
8.耐久性
9.防音性
10.リフォーム性

1つずつ、解説していきます。

1. 費用

木造が割安で、鉄骨が割高になります。

在来工法と2×4工法は多くの工務店で施工可能なため、最も割安になります。

一方、木質パネル工法はハウスメーカーでしか扱いがないため、やや割高になります。

▼坪単価(参考)
・在来工法:40〜70万円
・2×4工法:40〜70万円
・木質パネル工法:60〜70万円
・軽量鉄骨:60〜70万円
・重量鉄骨:70〜90万円

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2. 工期

工場でほとんどの材料を組み立ててくる木質パネル工法と軽量鉄骨が一番短いです。

その次に短いのは在来工法、2×4工法、重量鉄骨です。

3. 間取りの自由度

在来工法、重量鉄骨が最も自由度が高いです。

2×4工法と木質パネル工法はやや制約があり、軽量鉄骨は土地の広さや形に最も影響を受けます。

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4. 耐震性

はっきり言って、一般住宅レベルの耐震性は、構造・工法によって大きく変わることはありません。

「鉄骨の方が木造よりも強い」というのは「根拠のない営業トーク」です。

きちんと設計・施工されていれば、在来工法で建てたとしてもまったく問題ありません。

耐震性については、下記の記事で解説しています。

家の性能
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5. 断熱性

これは木造に軍配があがります。中でも2×4工法や木質パネル工法は断熱材をきちんと入れやすいため、在来工法よりも断熱性を上げやすいです。

鉄骨は家の内外の熱を通しやすいため(ヒートブリッジ)、断熱には限界があります。

断熱性については、下記の記事で解説しています。

家の断熱性能
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6. 気密性

鉄骨より木造の方が気密性が高いです。

特に、2×4工法が最も気密性を上げやすいと言われています。

鉄骨系は「熱によって鉄が伸縮する」という性質上、どうしても隙間ができてしまいます。

気密性については、下記の記事で解説しています。

壁のコーキング
【気密性能が高いハウスメーカー】37社の比較・ランキング【C値】

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7. 耐火性

ネット上では、

・木は火に弱い
・鉄は500度以上で強度が落ちて曲がる
・木は炭になるので燃えきらない

などといろいろ言われていますが、ナンセンスな議論です。

なぜなら、

・火事で一番危険なのは一酸化炭素中毒
・木造でも鉄骨でも、火事になったら大規模な修復が必要

だからです。

構造体としては、木造も鉄骨も燃えにくい処理・加工が施されており、耐火性は同じくらいだと思います。

8. 耐久性

木は湿気やシロアリ、鉄はサビという劣化の原因があります。

それを踏まえた耐久性の目安として、木造で35年、鉄骨で45年といわれていますが、実際はきちんと対策・施工されているかのほうが重要です。

木造住宅では防腐・防蟻がしっかり行われていることが多い一方で、鉄骨は対策が甘いことが多く、注意が必要です。

9. 防音性

木造と鉄骨の違いによってそこまで変わらないため、各業者の防音性を確認したほうがよいでしょう。

防音性ついては、下記の記事で解説しています。

耳せん
【ハウスメーカーの防音・遮音性能】22社の比較・ランキング

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10. リフォーム性

リフォームのしやすさは重量鉄骨が最も簡単です。構造上の柱となる部分が少なく、それ以外は全て壊しても問題ないからです。

次にリフォームしやすいのは在来工法です。間取りの変更によっては構造に補強が必要になってきますが、どの業者でも手を加えることができるため、リフォーム性が高いといえます。

リフォームしにくいのは2×4工法、木質パネル工法、軽量鉄骨です。いずれも詳細な設計図がないと、どのような構造になっているのかがわからないため、それを建てた業者でないと手出しできません。また、間取りの制限も大きいです。

【まとめ】家づくりで失敗しないために

記事のまとめ

本記事では、「平屋なら鉄骨より木造のメリットが大きい」という話をお伝えしてきました。

まとめると、下記のとおりです。

・木造の方が鉄骨より割安
・木造の方が鉄骨より高断熱にしやすい
・3F以上を作れるという鉄骨の長所を活かせない
・木造の方が鉄骨より間取りの自由度が高い
・耐震性・耐火性・耐久性なども問題ない

家づくりで失敗しないためには、これらのポイントに注意しましょう。

また、構造・工法以外にも「家づくりで大切なポイント」がいくつかあります。

詳しくは、下記の記事を参考にしてください。

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