失敗・後悔しない家づくりブログ【新築・注文住宅】

家づくりの経験者が「失敗しない新築注文住宅のポイント」や「ハウスメーカーの比較・ランキング」などをまとめているブログです。

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【木質パネル工法】メリット・デメリットや耐震性能は?【徹底解説】

木の板
木質パネル工法を知りたい人「木質パネル工法のメリットやデメリット、耐震性能を知りたいです。また、扱っているハウスメーカーや他の工法との違いも教えてほしいです。」

こんなお悩みに答えます。

こんにちは。家づくりを経験した「とある東北人」です。

家づくりを進めていくと、

木質パネル工法

という言葉を耳にすることがあると思います。

特に、「ハウスメーカーの人の話」「パンフレット」などで、

・面構造なので耐震性能が高い
・高断熱・高気密である
・工場生産なので工期が短い

などという形で宣伝されることが多いようです。

一方で、

・デメリットや欠点はあるの?
・木造軸組パネル工法との違いは?
・ツーバイフォー(2×4)工法との違いは?
・扱っているハウスメーカーは?

悩む人も少なくないと思います。

私も悩みましたが、家づくりを勉強するにつれて「木質パネル工法」がどんなものであるかがわかってきました。

家づくりの本
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本記事では、そんな私の経験をもとに、「木質パネル工法のメリット・デメリット」「耐震性能」などをご紹介したいと思います。

木質パネル工法とは?

ミサワホームの木質パネル

出典:ミサワホーム

そもそも「木質パネル工法」とは、どういったものでしょうか?

それを理解するためには、

・1.「木質パネル工法」の定義
・2.「ツーバイフォー(2×4)工法」との違い
・3.「木質系プレハブ」との違い
・4.「木造軸組パネル工法」との違い

という「4つのポイント」があります。

これらについて、1つずつ説明します。

1.「木質パネル工法」の定義

スーモによれば、

木質パネル工法とは、住宅の床・壁などの構造体をパネルとして、工場で生産したものを現場にもちこんで組み立てるプレハブ工法の一種。パネルは、格子組フレームにプレス合板を接着して製造される。
スーモ

とあります。

つまり「木質パネル工法」とは、

床や壁などの構造体に使う木製のパネルを工場で作り、現場で組み立てる工法

ということです。

しかし、これだけでは「ツーバイフォー(2×4)工法」と同じようにようにも感じます。

それぞれの違いは何なのでしょうか?

2.「ツーバイフォー(2×4)工法」との違い

ホームズによれば、

「2×4工法」と同様に、天井、壁、床の6面で住宅を構成する工法のことをいいます。2×4工法との違いは、2×4工法では木質パネルの組み立てに釘を使うのに対し、木質パネル工法では接着剤を使っていることや枠材が細く作られていることなどです。
ホームズ

とあります。

また、

木造の家づくりは、在来、ツーバーフォーのほかに「木質パネル工法」と言われるものがあります。工場で生産したパネルを現場に持ち込み、枠材に接着させていくのでツーバーフォーと似ていますが、断熱材や下地材などもセットになったパネルを使うところが違います。
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規格化した床・壁・天井パネルを工場で生産し、現場に搬入して組み立てる工法。パネルには断熱材を加えたものや電気配線を施したものもある。施工方法としては合板を接着剤で枠材に固定して行なう。
家づくり必勝法

といった説明もあります。

つまり、「木質パネル工法」と「ツーバイフォー(2×4)工法」の違いは、

▼木質パネル工法
・パネルの組み立てに接着剤を使う
・断熱材、下地材、電気配線などがセット(工場生産の割合が高い)

▼ツーバイフォー(2×4)工法
・パネルの組み立てにを使う
・断熱材、下地材、電気配線などは(工場生産の割合が低い)

ということです。

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3.「木質系プレハブ」との違い

スーモによれば、

木質系プレハブとは、プレハブ工法の種類で、木材の枠組に、合板を張ったパネルを工場生産し、それを現場で組み立ててつくられる。ツーバイフォー工法と同様の壁式工法。(中略)なお、プレハブ工法とは、建物の部材をあらかじめ規格品として工場で製作し、現場で組み立てていく工法のこと。
スーモ

とあります。

これだけ見ると、

「木質パネル工法」=「木質系プレハブ」

という感じもしますが、

パネルの組み立てに接着剤を使っていない

ものも「木質系プレハブ」と呼ぶようです。

つまり、

▼木質パネル工法
・パネルの組み立てに接着剤を使う
・断熱材、下地材、電気配線などがセット(工場生産の割合が高い)

▼木質系プレハブ
・パネルの組み立てに接着剤または釘を使う
・断熱材、下地材、電気配線などがセット(工場生産の割合が高い)

というふうに分類されます。

この分類でいえば、

などは「木質系プレハブ」ということができます。

※なお、一般的な「ツーバイフォー(2×4)工法」は「木質系プレハブ」には分類されません。

4.「木造軸組パネル工法」との違い

「木質パネル工法」と似た言葉として、「木造軸組パネル工法」というものがあります。

これらの違いは、下記のとおりです。

・木質パネル工法:骨組み(フレーム)にあたる柱や梁がない。壁式工法。
・木造軸組パネル工法:骨組み(フレーム)にあたる柱や梁がある。軸組工法。

「木質パネル工法」は、骨組み(フレーム)にあたる柱や梁がなく、ツーバイフォー(2×4)工法と同様に「面」で家を建てていく工法に分類されます。

一方、「木造軸組パネル工法」は、骨組み(フレーム)にあたる柱や梁があり、パネルを使った木造軸組工法(在来工法)を表します。

※従来の木造軸組工法は「筋交い(すじかい)」を使ったものが主流でしたが、最近では耐震性能を高めるために「パネル(=構造用合板)」を使っており、それを「木造軸組パネル工法」と呼んでいるのです。

なお、木質パネル工法をはじめとした「構造・工法」について詳しく知りたい場合は、書籍もおすすめです。

家づくりの本
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木質パネル工法のハウスメーカー3社

家の模型

「木質パネル工法のハウスメーカー」は、下記の3社です。

これらのハウスメーカーを1社ずつ、ご紹介します。

※なお、構造・工法以外にも「業者選びで大切なポイント」がいくつかあります。詳しくは、下記の記事を参考にしてください。

ハウスメーカー 工務店
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1. ミサワホーム

ミサワホームの木質系住宅のページ

https://www.misawa.co.jp/kodate/technology/mokusitu/

「ミサワホーム」の特徴は、木の細胞同士を合着させる「高分子接着剤」と、引き抜き耐力が普通の釘の2倍ある「スクリュー釘」で強固に接合し、「剛性の高い家」を作っていることです。

また、次世代制振装置「MGEO(エムジオ)」を搭載することで、地震エネルギーを最大約50%軽減することができます。

▼坪単価
60万円〜150万円

▼対応エリア
全国(沖縄・離島・山間部等一部地域を除く)

2. ヤマダホームズ

ヤマダホームズのSxLのページ

https://yamadahomes.jp/sxl-structure/strength.html

「ヤマダホームズ」は、エス・バイ・エル(SxL)がヤマダ電機の子会社となり誕生した住宅メーカーです。

創業から60年以上「地震による全壊・半壊ゼロ」と公表されています。

▼坪単価
40万円〜80万円

▼対応エリア
岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、石川、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、徳島、広島、香川、愛媛、福岡、宮崎、鹿児島、佐賀

3. スウェーデンハウス

スウェーデンハウスのサイト

https://www.swedenhouse.co.jp/

「スウェーデンハウス」の特徴は、2015年〜2019年の5年連続で「オリコン顧客満足度第1位」になっていることです。

また、「全棟高性能保証表示システム」により、1棟ごとに断熱性能・気密性能を出してもらうことができます。

▼坪単価
70万円〜100万円

▼対応エリア
全国(沖縄県を除く)

木質パネル工法のメリット

メリット

「木質パネル工法のメリット」は、下記の3つです。

・1. 品質が安定している
・2. 施工のバラツキが少ない
・3. 工期が短い

それぞれ、説明します。

1. 品質が安定している

1つ目のメリットは、「品質が安定している」ということです。

木質パネル工法とは、住宅の床・壁などの構造体をパネルとして、工場で生産したものを現場にもちこんで組み立てるプレハブ工法の一種。パネルは、格子組フレームにプレス合板を接着して製造される。
スーモ

「プレハブ」とは、プレ(pre:前もって)+ファブリケーション(fabrication:作ること)という意味です。

つまり、木質パネル工法は、規格化した壁・床・天井パネルをあらかじめ工場で作るため、部材の品質を管理しやすくなるのです。

2. 施工のバラツキが少ない

2つ目のメリットは、「施工のバラツキが少ない」ということです。

例えば「ツーバイフォー(2×4)工法」と比べて、「木質パネル工法」では、

・断熱材
・下地材
・電気配線

などをあらかじめ工場でパネルに組み込んでおきます。

こうすることで、現場で作業する割合が減り、職人の施工レベルによるバラツキが少なくなるわけです。

3. 工期が短い

3つ目のメリットは、「工期が短い」ということです。

「現場で作業する割合が少ない」ということは、当然、工期も短くなります。

一般的な「工法別の工期の目安」は、

・木造軸組工法:4〜6ヶ月
・ツーバイフォー(2×4)工法:3〜4ヶ月
・木質パネル工法:2〜4ヶ月

といわれています。

この3種類の中では「木質パネル工法」が一番短く、「木造軸組工法(在来工法)」よりも2ヶ月ほど短くなります。

木質パネル工法のデメリット

デメリット

「木質パネル工法のデメリット」は、下記の5つです。

・1. 断熱性能が落ちる可能性がある
・2. 場所によっては建てられない
・3. パネルが薄い
・4. 間取りの自由度が低い
・5. リフォーム性が低い

それぞれ、説明します。

1. 断熱性能が落ちる可能性がある

1つ目のデメリットは、「断熱性能が落ちる可能性がある」ということです。

パネルに断熱材を工場で入れ込んで運んでくるんですが、危険性があるのは雨ですよね。断熱材は雨に弱くて、建て方工事(棟上げまでの組立工事)の時に一度濡れたらしっかり乾燥させないといけないのだけど、乾くのに日数がかかる。それで乾かないまま貼ってしまう現場が多いんです。
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問題は断熱材の不具合ですね。濡れたり、ズレたり、あるいは工事中にめくって戻さなかったりとかが見受けられますから。
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つまり、木質パネルは「断熱材が入った状態」で工場から現場に届けられるため、

・雨による断熱材の濡れ
・運搬中の断熱材のズレ
・工事中の断熱材の戻し忘れ

などによって、「断熱性能が落ちる」というケースがありえます。

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2. 場所によっては建てられない

2つ目のデメリットは、「場所によっては建てられない」ということです。

(中略)パネル設置にクレーン車を必要とする場合、輸送費がかかることと、道路の搬入経路によっては施工ができない。敷地との適応性は、低い。前述のとおり、搬入経路によっては施工不可。規格化したパネルのため、狭小、変形地にも不向きだ。
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つまり、

・道路の幅が狭い
・道路が入り組んでいる
・土地が狭い
・土地が変形している

といったような場所では、木質パネル工法で建てられない場合があります。

3. パネルが薄い

3つ目のデメリットは、「パネルが薄い」ということです。

壁パネルは芯材(30×80ミリ)に5ミリの合板を両側から接着剤で貼り合わせたもので、ペラペラ感は否めない。壁パネルは1、2階のパネルをボルトで緊結しているが、木痩せが進行するとナットの締めつけが緩む傾向がある。
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ただ、ミサワの構造体はやっぱり薄くて、ペラペラ感が否めないよね。3階建てになると強風で揺れますから。阪神淡路、東日本と大震災があったのに、ずっとパネルの厚み(90ミリ)を変えてないですね。
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このことで耐震性能にどれほど影響があるかは不明ですが、一般的なツーバイフォー(2×4)工法と比べてパネルが薄いのは事実です。

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4. 間取りの自由度が低い

4つ目のデメリットは、「間取りの自由度が低い」ということです。

木質パネル工法は、

・規格化されたパネルを使う → 細かい要望に対応できない
・「面」で家を建てる → 壁の配置に制約がある

といった点から、木造軸組工法(在来工法)などと比べると、間取りの自由度が低くなります。

例えば、「広い空間」を作ったり、「大きな窓」を取り付けたりすることには限界が出てきます。

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5. リフォーム性が低い

5つ目のデメリットは、「リフォーム性が低い」ということです。

木質パネル工法は、

・壁の配置に制約がある → 自由に壁を壊すことができない
・対応できる業者が限られている → 誰でも扱える工法ではない

といった点から、木造軸組工法(在来工法)などと比べると、リフォームがしにくくなります。

特に、「対応できる業者」が限られており、業者ごとに「独自の工法」を用いているため、基本的に建てた業者でないと手出しできません。

木質パネル工法の耐震性能

家の性能

「木質パネル工法の耐震性能」は、どのくらいあるのでしょうか?

「耐震性能が高いハウスメーカーのランキング」の中で、「木質パネル工法」の業者に色付けすると、下記のようになります。

※ランキングは、実際に家を建てて揺らす「実大振動実験」の「最大ガル数(≒揺れの大きさ)」をもとに作成しました。

順位 業者名 構造・工法 最大ガル 実験の結果 参考URL
1 セキスイハイム 鉄骨系プレハブ、枠組壁工法(2×6) 2,202 ◯内壁のクロスなどが損傷した程度で致命的な損傷はなし こちら
2 アキュラホーム 木造軸組 2,000〜2,200 ◯構造体及び内装(クロスの亀裂等)に損傷がありませんでした こちら
2 一条工務店 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6) 2,000〜2,200 △地震に強く、安心であることを実証しています こちら
2 住宅情報館 木造軸組 2,000〜2,200 △構造的な変形では倒壊に至らず、その耐震性を示しました こちら
2 住友林業 木造軸組 2,000〜2,200 △耐震性能には余力を残しました こちら
2 三井ホーム 枠組壁工法(2×4、2×6) 2,000〜2,200 △加振に耐え、構造躯体の強さを実証しました こちら
3 ミサワホーム 木造軸組、鉄骨系プレハブ、木質パネル、重量鉄骨、RC 2,000 ◯構造体の損傷ゼロはもちろん、内装仕上げにも目立った被害はなし こちら
4 クレバリーホーム 木造軸組 1,791 ◯主要構造用部材、外壁タイル共に損傷は認められない こちら
5 ダイワハウス 木造軸組、鉄骨系プレハブ、重量鉄骨 1,782 ◯鉄骨フレームの損傷や外壁材のクラックなどの異常は認められませんでした こちら
5 日本ハウスHD (旧:東日本ハウス) 木造軸組 1,782 △十分な耐震性能があることが実証 こちら
5 パナソニック ホームズ 鉄骨系プレハブ 1,782 ◯構造体の交換が必要となるような大きな損傷はない こちら
6 飯田産業 木造軸組 1,722 ◯構造体・仕上材ともに全く損傷は見られず こちら
6 セルコホーム 枠組壁工法(2×4、2×6) 1,722? △日本ツーバイフォー建築協会の実験のため こちら
6 富士住建 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6) 1,722 ◯倒壊しないだけでなく、木材や金属への損傷もない こちら
7 スウェーデンハウス 木質パネル 1,636 ◯構造上の有害な損傷なし こちら
8 木下工務店 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6) 1,604 △倒壊はしませんでした こちら
9 積水ハウス 木造軸組、鉄骨系プレハブ、重量鉄骨 1,600 △倒壊することなく、外壁の割れ・脱落もないことを確認 こちら
10 旭化成ホームズ(ヘーベルハウス) 鉄骨系プレハブ、重量鉄骨 1,337 ◯構造体に大きな損傷は見られず こちら
11 ヤマダホームズ 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6)、木質パネル 1,198 △耐えた こちら
12 ナイス 木造軸組 1,114 △倒壊せず、十分な耐震性能を発揮することが実証されています こちら
12 フェニーチェホーム 木造軸組 1,114 △倒壊せず、十分な耐震性能を発揮することが実証 こちら
13 インデュアホーム 枠組壁工法(2×4、2×6) 1,100 △層間変形角約40%抑制 こちら
14 三菱地所ホーム 枠組壁工法(2×4、2×6) 1,000? △大震災でも、揺れない安心が実証されました こちら
15 大成建設ハウジング(パルコン) コンクリート系プレハブ 980 △不明 こちら
16 秀光ビルド 木造軸組 899 ◯家が倒壊することはなかったうえ、まったくの無傷 こちら
16 タマホーム 木造軸組 899 △倒壊・崩壊しないことが確認 こちら
17 アイフルホーム 木造軸組 891 ◯内装に一部損傷があるが、構造体に目立った損傷なし こちら
17 イシンホーム住宅研究会 木造軸組 891 ◯構造体に異常なし こちら
17 FPの家 木造軸組 891 △2回の実験を最後まで耐えた こちら
17 GLホーム 枠組壁工法(2×4、2×6) 891 △建物の変形量を最小限に抑え強度を保つことができました こちら
17 トヨタホーム 鉄骨系プレハブ 891 ◯構造体の損傷は一切ない こちら
17 パナソニックビルダーズグループ 芙蓉ホーム 木造軸組 891 ◯構造体の損傷・変形はなくクリア こちら
17 百年住宅 RC 891 △不明 こちら
17 広島建設 木造軸組 891 ◯通し柱の接合部にまったくズレや損傷がなく、躯体と一体化して、しっかりと軸組を支えきっていることが実証されました こちら
17 フィアスホーム 木造軸組 891 ◯実験を繰り返しても変形量はほぼ同じ こちら
17 北洲ハウジング 枠組壁工法(2×4、2×6) 891 △安全限界変位の範囲内でした こちら
17 ポラス 枠組壁工法(2×4、2×6) 891 ◯構造躯体にまったく衝撃の影響が見られず、ポラスの耐震技術が公的に証明されました こちら
17 レスコハウス RC 891 △レスコハウスの耐力は低下していませんでした こちら
18 イノスグループ 木造軸組 818 △水平変位を約50%低減 こちら
18 トヨタウッドユーホーム 枠組壁工法(2×4、2×6) 818 △独自の実験ではない? こちら
19 エースホーム 木造軸組 600 △実物による耐震実験でも、充分な安全性を実証しました こちら
19 ヤマト住建 木造軸組 600 ◯大きな損傷は全く見られなかった こちら
20 アイダ設計 木造軸組 400? △震度7クラスの耐震実験をクリアしています こちら
21 住友不動産 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6) 355 △損傷が少ない こちら

ランキング上では耐震性能は高い

ランキング中、「木質パネル工法」の業者の順位は、

・3位:ミサワホーム
・7位:スウェーデンハウス
・11位:ヤマダホームズ

となっています。

このランキングだけで考えるならば、他の工法・業者と比較しても、「木質パネル工法の耐震性能は高い」といえます。

ただし、ランキングは「実大振動実験」の結果をもとにしているため、「ざっくりとした目安」と考えたほうが良いでしょう。

「耐震性能」「実大振動実験」については、下記の記事で解説しています。

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木質パネル工法と他工法の比較

家の模型を両手に持つ

木質パネル工法と他工法の「項目別の比較」は下記のとおりです。

木造 鉄骨 鉄筋
在来工法 2×4工法 木質パネル工法 軽量鉄骨 重量鉄骨 鉄筋コンクリート造
1.費用
2.工期
3.間取りの自由度
4.耐震性
5.断熱性
6.気密性
7.耐火性
8.耐久性
9.防音性
10.リフォーム性

1つずつ、解説していきます。

1. 費用

木造が割安で、次に鉄骨、そして鉄筋コンクリートが最も割高になります。

在来工法と2×4工法は多くの工務店で施工可能なため、最も割安になります。

一方、木質パネル工法はハウスメーカーでしか扱いがないため、やや割高になります。

▼坪単価(参考)
・在来工法:40〜70万円
・2×4工法:40〜70万円
・木質パネル工法:60〜70万円
・軽量鉄骨:60〜70万円
・重量鉄骨:70〜90万円
・鉄筋コンクリート造:90〜100万円

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2. 工期

工場でほとんどの材料を組み立ててくる木質パネル工法と軽量鉄骨が一番短いです。

その次に短いのは在来工法、2×4工法、重量鉄骨です。

鉄筋コンクリートが一番工期がかかります。

3. 間取りの自由度

在来工法、重量鉄骨、鉄筋コンクリートが最も自由度が高いです。

2×4工法と木質パネル工法はやや制約があり、軽量鉄骨は土地の広さや形に最も影響を受けます。

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4. 耐震性

はっきり言って、一般住宅レベルの耐震性は、構造・工法によって大きく変わることはありません。

「鉄骨の方が木造よりも強い」というのは「根拠のない営業トーク」です。

きちんと設計・施工されていれば、在来工法で建てたとしてもまったく問題ありません。

耐震性については、下記の記事で解説しています。

家の性能
【耐震性能が高い】ハウスメーカーランキング【地震に強い頑丈な家】

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5. 断熱性

これは木造に軍配があがります。中でも2×4工法や木質パネル工法は断熱材をきちんと入れやすいため、在来工法よりも断熱性を上げやすいです。

鉄骨は家の内外の熱を通しやすいため(ヒートブリッジ)、断熱には限界があります。

なお、鉄筋コンクリートはしっかりした設計・施工をすれば、断熱性は上げられます。

断熱性については、下記の記事で解説しています。

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6. 気密性

鉄筋コンクリートは基本的に隙間がないので、気密性はダントツです。

しかし、2×4工法も気密性を上げやすいと言われています。

鉄骨系は「熱によって鉄が伸縮する」という性質上、どうしても隙間ができてしまいます。

気密性については、下記の記事で解説しています。

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7. 耐火性

単純な耐火性で言えば鉄筋コンクリートが一番です。コンクリートは1000度の火に2時間さらしても強度が変わらないと言われています。

一方、鉄は500度くらいで強度は半分以下になり、変形してしまいます。

しかし、木造や鉄骨も現在は燃えにくい処理・加工が施されており、耐火性は問題ありません。

8. 耐久性

木は湿気やシロアリ、鉄はサビ、コンクリートは空気中の酸による中性化という劣化の原因があります。

それを踏まえた耐久性の目安として、木造で35年、鉄骨で45年、鉄筋コンクリートで55年といわれていますが、実際はきちんと対策・施工されているかのほうが重要です。

木造住宅では防腐・防蟻がしっかり行われていることが多い一方で、鉄骨や鉄筋コンクリートは対策が甘いことが多く、注意が必要です。

9. 防音性

単純な防音性ならば鉄筋コンクリートが1番です。重い材料ほど防音性が高いためです。

しかし、それ以外は構造によってそこまで変わらないため、各業者の防音性を確認したほうがよいでしょう。

防音性ついては、下記の記事で解説しています。

耳せん
【ハウスメーカーの防音・遮音性能】22社の比較・ランキング

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10. リフォーム性

リフォームのしやすさは重量鉄骨と鉄筋コンクリートが最も簡単です。構造上の柱となる部分が少なく、それ以外は全て壊しても問題ないからです。

次にリフォームしやすいのは在来工法です。間取りの変更によっては構造に補強が必要になってきますが、どの業者でも手を加えることができるため、リフォーム性が高いといえます。

リフォームしにくいのは2×4工法、木質パネル工法、軽量鉄骨です。いずれも詳細な設計図がないと、どのような構造になっているのかがわからないため、それを建てた業者でないと手出しできません。また、間取りの制限も大きいです。

【結論】木質パネル工法より在来工法やツーバイ工法がおすすめ

家の構造・工法

「木質パネル工法」には、いくつか問題があります。

まず、木質パネル工法は、ハウスメーカー数社でしか扱っておらず、工務店では対応できません。よって、在来工法や2×4工法などと比べると、選択肢が狭まり、費用も割高になります。

また、断熱材や下地材などを含めた「パネル」を工場で生産し、現場で組み立てるのですが、運んでいる途中に断熱材がズレてしまう可能性があります。

また、パネルがに雨に濡れると、断熱材が湿ってしまい、断熱性が落ちてしまいます。

さらに、2×4工法と比べて、パネルが薄いという問題もあります。

パネルの薄さが耐震性能にどれほど影響するかは不明ですが、人によっては「ペラペラ感」を感じてしまうかもしれません。

このような問題があるため、木造の中では、

・木造軸組工法(在来工法)
・木造枠組壁工法(2×4、2×6工法)

のいずれかが良いと思います。

ただし、

・1. 品質が安定している
・2. 施工のバラツキが少ない
・3. 工期が短い

といったメリットを求めるなら、「木質パネル工法」もアリだと思います。

建築現場
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【まとめ】ハウスメーカー(工務店)選びで失敗しないために

記事のまとめ

本記事では、「木質パネル工法のメリット・デメリット」「耐震性能」などについてお伝えしてきました。

まとめると、下記のとおりです。

・「木質パネル工法」=「木製のパネルを工場で作り現場で組み立てる工法」
・ツーバイ工法との違いは「接着剤の使用」と「工場生産の割合が高い」こと
・実大振動実験をもとにしたランキング上では耐震性能は高い
・基本的に「木造軸組工法(在来工法)」か「ツーバイ工法」がおすすめ
・「品質の安定」や「短い工期」を求めるなら木質パネル工法もアリ

業者選びで失敗しないためには、これらのポイントに注意しましょう。

また、構造・工法以外にも「業者選びで大切なポイント」がいくつかあります。

詳しくは、下記の記事を参考にしてください。

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