こんなお悩みに答えます。
もくじ
こんにちは。家づくりを経験した「とある東北人」です。
家づくりを進めていくと、
・ZEH(ゼッチ)
・BELS(ベルス)
・LCCM(エルシーシーエム)
・CASBEE(キャスビー)
・長期優良住宅
といった用語を、1度は耳にすると思います。
特に、「ハウスメーカーの人の話」や「パンフレット」などで、
・ZEH仕様がおすすめです!
・長期優良住宅は取得すべきです!
・弊社はBELSの5つ星をとっています!
などという形で宣伝されることが多いようです。
しかし、
・高断熱・省エネっぽい気がするけど、違いは何だろう?
・どれがおすすめで、どれが不要なのかわからない…
と悩む人も少なくないと思います。
私もけっこう悩みましたが、本で調べたり業者の話を聞いていくにつれ、「用語の違い」や「いる・いらない」がわかってきました。
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本記事では、そんな私の経験をもとに、「ZEH・BELS・LCCM・CASBEEなどの違い」や「結局どれがおすすめなの?」ということについてお伝えしたいと思います。
ZEH・BELS・LCCM・CASBEEなどの違い
ZEH・BELS・LCCM・CASBEEなどの「違い」は、
・住宅を評価する制度
・特定の基準をクリアした住宅、またはその基準
のそれぞれに分類すると、わかりやすいです。
まとめると、下記の表のようになります。
住宅を評価する制度 | 特定の基準をクリアした住宅、またはその基準 |
---|---|
・BELS(ベルス) ・CASBEE(キャスビー) |
・ZEH(ゼッチ) ・LCCM(エルシーシーエム) ・長期優良住宅 |
・BELS(ベルス)
・CASBEE(キャスビー)
は、「住宅を評価する制度」のことです。
一方、
・ZEH(ゼッチ)
・LCCM(エルシーシーエム)
は、「特定の基準をクリアした住宅、またはその基準」のことです。
似たようなものとしては、
・長期優良住宅
というものもあります。
本記事では、これらの用語それぞれの「意味」や「メリット・デメリット」ついて、解説していきたいと思います。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは?
出典:資源エネルギー庁
「ZEH(ゼッチ)」の意味は、下記のとおりです。
ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」です。
資源エネルギー庁
簡単にいえば、
・家の断熱性能を高めることで、省エネにする
・高効率な冷暖房、換気、給湯、照明などを使うことで、省エネにする
・太陽光発電で電気エネルギーを作る
・家で使う電気エネルギーをプラスマイナスゼロにする
などの条件をクリアした住宅ということです。
ZEHのメリット
ZEHのメリットは、「補助金がもらえる」ということです。
ZEH住宅を建てた場合、1件あたり「最大70万円」の補助金がもらえるようです。
※補助金などの制度については、自治体が独自に行っている場合もあるので、問い合わせてみましょう。
また、ZEH住宅は、
・家の断熱性能を高める
・高効率な冷暖房、換気、給湯、照明などを使う
・太陽光発電でエネルギーを作る
ので、「光熱費が安くなる」ということもメリットとして挙げられています。
日照条件やライフスタイルによっては、「生活に必要な大半の電力をまかない、余った電力を売電する」というケースもありえます。
さらに、太陽光発電ができるため、「災害時でも電気を使える」「地球環境にやさしい」というのもメリットといえるでしょう。
ZEHのデメリット
ZEHのデメリットは、「それほど高断熱ではない」ということです。
実は、断熱性能の基準には、
・平成25年省エネ基準
・ZEH(ゼッチ)基準
・HEAT20G1グレード
・HEAT20G2グレード
・カナダR2000住宅レベル
・Q1.0(キューワン)住宅レベル
・パッシブハウスレベル
と段階があり、下に行くにつれて厳しくなっていきます。
この中で、「ZEH基準」は、上から2番目であり、たいていのハウスメーカー・工務店がラクに達成できるレベルの基準なのです。
「高断熱」と呼ぶには、最低でも3番目の「HEAT20G1グレード」をクリアしている必要があると思います。
「断熱性能」のレベルについては、下記の記事で解説しています。
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また、ZEHは「初期費用・維持費がかかる」ということもデメリットになります。
一般的に、ZEH仕様(高断熱+高効率設備)にすると「300万円以上」のコストアップとなります。
それに追加して、「太陽光発電」が必須になります。
太陽光発電を設置する初期費用は、「容量1kWあたり30万円程度」かかるようです。
そのため、想定値としては、平成 29 年度は 33.6 万円/kW、平成 30 年度は 32.2 万円/kW、平成 31 年度は 10kW 以上の太陽光と同様に上位 25%に相当する 30.8 万円/kW を採用することとした。(参考6・7)
経済産業省
仮にZEHに必要な太陽光発電の容量が5kwだとすると、「150万円」ほどかかる計算になります。
ここから補助金の上限「70万円」を差し引いても、「80万円」の初期費用がかかることになります。
さらに、維持費については、「容量1kWあたり年間3,000円程度」かかるようです。
したがって、想定値としては、昨年度と同水準の定期点検費用、パワーコンディショナー交換に係る費用を計上し、平均出力の上昇分を反映した 3,000 円/kW/年を平成 29 年度~平成 31 年度において採用することとした。
経済産業省
よって、容量が5kwだと、年間で「1.5万円」の維持費がかかる計算になります。
以上の、
・ZEH仕様:300万円〜
・太陽光発電:80万円 (補助金あり)
・維持費:年間1.5万円
の費用を、売電で回収できるかどうか、そのリスクを負うことになります。
※日照条件やライフスタイルによっては、「売電で得られる金額が少ない」「ほとんど売電できない」というケースも考えられます。そして、売電価格は年々下がってきています。
なお、高い金額で売電できる「固定価格買取制度」は、2019年11月以降から順次満了となり、それ以降の売電価格は、市場価格にもとづいた金額になります。
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BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)とは?
「BELS(ベルス)」の意味は、下記のとおりです。
建築物省エネルギー性能表示制度の英名称をBuilding-Housing Energy-efficiency LabelingSystemとし、この頭文字をとってBELS(「ベルス」と読みます)といいます。一般社団法人住宅性能評価・表示協会(以下「評価協会」という。)に登録されたBELSに係る評価機関が、省エネルギー性能の評価・表示をおこなう制度です。
(一社)住宅性能評価・表示協会
簡単にいえば、
「断熱性能」と「エネルギー消費量」もとに、住宅の省エネ性能を評価する制度
のことです。
BELSのメリット
BELSのメリットは、「家の燃費がわかりやすい」ということです。
BELSを利用すると、下記の項目が表示されます。
・1〜5までの星の数:多いほど省エネといえる
・エネルギー消費量:削減率と消費量がわかる
・外皮基準:UA値またはηAC値がわかる
・ZEHマークの有無:ZEH基準かがわかる
そのため、
・家のエネルギー消費量はどれくらいか?
・他の家と比べてどのくらい省エネか?
といった「家の燃費」が目で見てわかりやすくなります。
また、「補助金がもらえる」ということもメリットとして挙げられています。
具体的には、
・地域型住宅グリーン化事業
・ZEH支援事業
といった補助金をもらう際に、BELSの評価を活用できるという仕組みです。
※補助金などの制度については、自治体が独自に行っている場合もあるので、問い合わせてみましょう。
BELSのデメリット
BELSのデメリットは、「5つ星でも、業者によっては簡単にクリアできてしまう」ということです。
BELSは、
・外皮性能(=断熱性能)
・一次エネルギー消費量
によって、1つ星〜5つ星の5段階に評価され、5つ星のレベルは、
・外皮性能(=断熱性能):H25年省エネ基準レベル
・一次エネルギー消費量:H25省エネ基準からの削減率20%
となっています。
しかし、このレベルは、「高断熱が得意な業者なら簡単にクリアできてしまうレベル」なのです。
なので、「BELSで5つ星」を取得したからといって、そんなに胸を張れるものではありません。
なお、「断熱性能のレベル」については、下記の記事で解説しています。
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LCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)とは?
出典:国土交通省
「LCCM(エルシーシーエム)住宅」の意味は、下記のとおりです。
ライフサイクルカーボンマイナス(Life Cycle Carbon Minus)住宅(以下LCCM住宅と略す)とは、住宅の建設・運用・解体・廃棄までの一生涯に排出する CO2 を徹底的に減少させるさまざまな技術導入と、それらを使いこなす省エネ型生活行動を前提としたうえで、太陽光、太陽熱、バイオマスなどの再生可能エネルギー利用によって、ライフサイクルトータルの CO2 収支がマイナスとなる住宅のことである。
(一社)日本サステナブル建築協会
簡単にいえば、
・家の断熱性能を高めることで、火力発電所で出るCO2を減らす
・高効率な冷暖房、換気、給湯、照明などを使うことで、火力発電所で出るCO2を減らす
・家庭で使う以上のエネルギーを太陽光発電で作ることで、火力発電所で出るCO2を減らす
・その結果、家を建てる→住む→壊すまでの間に出るCO2をプラスマイナスゼロにする
などの条件をクリアした住宅ということです。
LCCM住宅のメリット
LCCM住宅のメリットは、「補助金がもらえる」ということです。
LCCM住宅を建てた場合、1件あたり「最大125万円」の補助金がもらえるようです。
※補助金などの制度については、自治体が独自に行っている場合もあるので、問い合わせてみましょう。
また、LCCM住宅は、
・家の断熱性能を高める
・高効率な冷暖房、換気、給湯、照明などを使う
・太陽光発電でエネルギーを作る
ので、「光熱費が安くなる」ということもメリットとして挙げられています。
ZEHが「家庭で使う電力をプラスマイナスゼロにする」のに対し、LCCM住宅は「トータルのCO2をマイナスにしていく」わけなので、ZEH住宅以上に光熱費が安くなるはずです。
さらに、太陽光発電ができるため、「災害時でも電気を使える」「地球環境にやさしい」というのもメリットといえるでしょう。
LCCM住宅のデメリット
LCCM住宅のデメリットは、「断熱性能が低くても、太陽光発電をたくさん乗せればクリアできてしまう」ということです。
私が計算したところ 現在建てられている住宅でしたら 10kWの太陽光発電を乗せれば だいたい楽にLCCMとなります。長期優良住宅の耐久性が必要ですが。。。。長期優良住宅の認定も取らずにLCCMといっている会社があるならとても怪しいですね。前に説明したように LCCMには住宅の断熱性能などは全く関係ないことが解ります。太陽光発電さえたくさん乗せれば良いという規格なのです。
高橋建築(株)
つまり、「太陽光発電を外した状態でも断熱性能が高いか?」という点については、必ずしもそうとは限らないのです。
また、LCCM住宅は「初期費用・維持費がかかる」ということもデメリットになります。
一般的に、LCCM住宅仕様(高断熱+高効率設備)にすると「300万円以上」のコストアップとなります。
それに追加して、「太陽光発電」が必須になります。
太陽光発電を設置する初期費用は、「容量1kWあたり30万円程度」かかるようです。
そのため、想定値としては、平成 29 年度は 33.6 万円/kW、平成 30 年度は 32.2 万円/kW、平成 31 年度は 10kW 以上の太陽光と同様に上位 25%に相当する 30.8 万円/kW を採用することとした。(参考6・7)
経済産業省
仮にLCCMに必要な太陽光発電の容量が10kwだとすると、「300万円」ほどかかる計算になります。
ここから補助金の上限「125万円」を差し引いても、「175万円」の初期費用がかかることになります。
さらに、維持費については、「容量1kWあたり年間3,000円程度」かかるようです。
したがって、想定値としては、昨年度と同水準の定期点検費用、パワーコンディショナー交換に係る費用を計上し、平均出力の上昇分を反映した 3,000 円/kW/年を平成 29 年度~平成 31 年度において採用することとした。
経済産業省
よって、容量が10kwだと、「年間で3万円の維持費」がかかる計算になります。
以上の、
・LCCM仕様:300万円〜
・太陽光発電:175万円(補助金あり)
・維持費:年間3万円
の費用を、売電で回収できるかどうか、そのリスクを負うことになります。
※日照条件やライフスタイルによっては、「売電で得られる金額が少ない」「ほとんど売電できない」というケースも考えられます。そして、売電価格は年々下がってきています。
なお、高い金額で売電できる「固定価格買取制度」は、2019年11月以降から順次満了となり、それ以降の売電価格は、市場価格にもとづいた金額になります。
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CASBEE(建築環境総合性能評価システム)とは?
「CASBEE(キャスビー)」の意味は、下記のとおりです。
「CASBEE」(建築環境総合性能評価システム)は、建築物の環境性能で評価し格付けする手法である。省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮はもとより、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価するシステムである。
(一財)建築環境・省エネルギー機構
簡単にいえば、
・家の中の環境は快適・健康・安心か?
・長く住み続けられるか?
・身近なレベルで環境に配慮しているか?
・省エネ性が高いか?
・資源を大切にしているか?
・大きなレベルで環境に配慮しているか?
といった項目を評価する制度のことです。
CASBEEのメリット
CASBEEのメリットは、「自然や地域にやさしい」ということです。
BELSは主に「省エネ性能」や「断熱性能」を評価する制度でしたが、それに加えてCASBEEでは、
・室内の音、光、空気環境
・室外の生物環境
・まちなみ
・地域性
・地球温暖化
・地球環境
・周辺環境
などといった項目をトータルで評価する制度になっています。
よって、CASBEEを取得できる住宅というのは、「自然や地域にやさしい建物である」といえます。
CASBEEのデメリット
CASBEEのデメリットは、「住む人よりも環境を優先している」ということです。
例えば、「長期優良住宅を取れる建物であっても、CASBEEを取れない」という場合があるようです。
それは長期優良住宅と「CASBEE」の評価のモノサシが異なるからだ。長期優良住宅は基本性能や「居住」環境を評価するし、「CASBEE」は居住環境よりも「自然」環境性能を評価している。この差だ。例えば、長期優良は居住面積や建物の維持・管理、可変性も重要な評価ポイントになるが、「CASBEE」は居住面積、居住性などはあまり重視していない。強いてあげれば「サービス・性能」という評価項目だが、これはマンションの機能のすべてを包含する項目ともいえるが、逆に極めてあいまいな評価項目だ。お叱りを受けるかもしれないが、「CASBEE」は環境には優しいが、人に優しいという哲学が欠落しているように思う。
長期優良住宅が「CASBEE」で評価されないのはなぜ
実際、私もとある業者から、
CASBEEを取るためには、鳥が集まれるような樹木を植えたり、池を作ったりして点数を稼ぐ必要があるんですよ
というような話を聞いたことがあります。
そう考えると、CASBEEは、住宅よりも「ビルや商業施設」向きの制度のように感じます。
長期優良住宅とは?
出典:東京都住宅政策本部
「長期優良住宅」の意味は、下記のとおりです。
長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するために、大きく分けて以下のような措置が講じられている住宅を指します。
・長期に使用するための構造及び設備を有していること
・居住環境等への配慮を行っていること
・一定面積以上の住戸面積を有していること
・維持保全の期間、方法を定めていること
(一社)住宅性能評価・表示協会
簡単にいえば、
・耐震性、省エネ性、耐久性、メンテナンス性などを良くする
・景観を損なわないようなデザインにする
・75㎡(22.7坪)以上の広さがある (※戸建て住宅の場合)
・定期的な点検・補修をする
などの条件をクリアした住宅ということです。
長期優良住宅のメリット
長期優良住宅のメリットは、「税金が優遇される」ということです。
具体的には、
・所得税(住宅ローン控除)
・所得税(投資型減税)
・不動産取得税
・登録免許税
・固定資産税
といった税金が優遇されます。
また、「補助金がもらえる」ということもメリットとして挙げられています。
具体的には、
・次世代住宅ポイント制度
・すまい給付金
・地域型住宅グリーン化事業
といった補助金がもらえます。
※補助金などの制度については、自治体が独自に行っている場合もあるので、問い合わせてみましょう。
さらに、それなりの性能の家を定期的に点検・補修していくため、「資産価値が下がりにくい」というメリットがあると言われています。
長期優良住宅のデメリット
長期優良住宅のデメリットは、「それほど耐震性能・断熱性能が高くない」ということです。
まず、耐震性能ですが、「耐震等級2」でクリアできてしまいます。
耐震性能を表す「耐震等級」は最高で3まであるのですが、「耐震等級2」だと、
倒壊しないまでも、構造体や内外装に損傷を受ける
という可能性があります。
詳しくは、下記の記事で解説しています。
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【耐震性能が高い】ハウスメーカーランキング【地震に強い頑丈な家】
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また、断熱性能についても、「平成25年省エネ基準」でクリアできてしまいます。
「断熱性能」の基準には、
・平成25年省エネ基準
・ZEH(ゼッチ)基準
・HEAT20G1グレード
・HEAT20G2グレード
・カナダR2000住宅レベル
・Q1.0(キューワン)住宅レベル
・パッシブハウスレベル
と段階があり、下に行くにつれて厳しくなっていきます。
この中で、「平成25年省エネ基準」は、上から1番目であり、ほぼ全てのハウスメーカー・工務店がラクに達成できるレベルの基準なのです。
詳しくは、下記の記事で解説しています。
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また、長期優良住宅は「建築コストが上がる」「定期的な点検・補修が必要になる」ということもデメリットになります。
一般的に、長期優良住宅にすると、「100万円〜200万円」程度のコストアップになるといわれています。
※ただし、大手ハウスメーカーや一部の工務店などでは、長期優良住宅レベルが標準になっており、以前に比べて大幅なコストアップはなくなってきている印象です。
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また、長期優良住宅は、建築前に提出した計画に沿って、「定期的な点検・補修」が必要になってきます。
この点検・補修を怠ると、行政機関から長期優良住宅の認定が取り消され、場合によっては補助金の返還を求められることがあります。
結局どれがおすすめなの?
さて、「結局どれがおすすめなのか?」ということですが、私は、
・1. 高断熱住宅を求めるならどれもおすすめできない
・2. おすすめは「UA値:HEAT20G1グレード以下、C値:0.5以下」
と考えています。
1つずつ、ご説明します。
1. 高断熱住宅を求めるならどれもおすすめできない
「高断熱住宅」を求めるなら、
・ZEH
・BELS
・LCCM住宅
・CASBEE
・長期優良住宅
のどれもおすすめできません。
なぜならば、いずれも基準が微妙だったり、簡単にクリアできてしまうからです。
それぞれの基準は、下記のとおりです。
・ZEH:UA値0.60以下でクリア(関東〜九州)
・BELS:1次エネルギー消費量がH25年省エネ基準から20%削減でクリア(5つ星)
・LCCM住宅:太陽光発電をたくさん乗せればクリア
・CASBEE:ビルや商業施設向きの制度
・長期優良住宅:UA値0.87以下でクリア(関東〜九州)
まず、「LCCM住宅」ですが、
断熱性能が低くても、太陽光発電をたくさん乗せればクリア
という基準になっており、微妙といわざるをえません。
次に、「CASBEE」は、
住宅というよりは、「ビルや商業施設」向きの制度
という感じが強く、高断熱住宅の評価としては不向きです。
また、「BELS」は、
1次エネルギー消費量がH25年省エネ基準から何%削減できるか?
ということが基準なのですが、断熱性能の高い家にして、高効率な設備(冷暖房、換気、給湯、照明など)を使えば、5つ星のレベルも簡単にクリアできてしまうのです。
さらに、「ZEH」や「長期優良住宅」は、
UA値がいくらか?
ということが基準になっていますが、こちらも断熱性能を少し高めれば、いずれも簡単にクリアできてしまうレベルに設定されています。
※UA値:「外皮平均熱貫流率」のことで、「家からどれくらい熱が失われるか?」という数値です。値が小さいほど熱が失われにくく、断熱性能が高いといえます。
つまり、「高断熱住宅」を求めるとしたら、
・ZEH
・BELS
・LCCM住宅
・CASBEE
・長期優良住宅
のいずれも、基準が微妙だったり、簡単にクリアできてしまうため、それほど誇れるものではないのです。
※ただし、「補助金をもらいたい」「環境にやさしい家にしたい」などといった場合は、これらを利用するのもよいと思います。
では、「高断熱住宅」を建てる上では、何を基準に考えればいいのでしょうか?
2. おすすめは「UA値:HEAT20G1グレード以下、C値:0.5以下」
「高断熱住宅」を建てたいなら、
・UA値:HEAT20のG1グレード以下
・C値:0.5以下
のレベルがおすすめです。
※C値:「相当すき間面積」のことで、「家にどのくらいすき間があるか?」という数値です。値が小さいほどすき間も小さく、「気密性能が高い」といえます。
このレベルであれば、
高断熱・高気密といってもまずまずのレベルであり、おのずと省エネになる
といっても問題ありません。
また、このレベルの家を建てられる業者は、「高断熱・高気密」や「省エネ」を売りにしていることが多いため、よい相談相手になってくれるはずです。
なお、UA値、C値については、下記の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
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【ハウスメーカーの断熱性能】Q値・UA値ランキング【75社比較】
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【気密性能が高いハウスメーカー】37社の比較・ランキング【C値】
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【まとめ】家づくりで失敗しないために
本記事では、「ZEH・BELS・LCCM・CASBEEなどの違い」や「結局どれがおすすめなの?」ということについてお伝えしてきました。
まとめると、下記のとおりです。
・BELS、CASBEEは「住宅を評価する制度」
・ZEH、LCCMは「特定の基準をクリアした住宅、またはその基準」
・高断熱住宅を求めるならどれもおすすめできない
・おすすめは「UA値:HEAT20G1グレード以下、C値:0.5以下」
・「補助金をもらいたい」「環境に配慮したい」という場合は利用するのも手
家づくりで失敗しないためには、これらのポイントに注意しましょう。
また、ZEHやBELS以外にも「家づくりで大切なポイント」がいくつかあります。
詳しくは、下記の記事を参考にしてください。
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