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そもそもどうやって見積もりを取ればいいの?
見積もりで注意することや気をつけることを知りたい
提示された見積もりが高いのか妥当なのか分からない…
こんな悩みはありませんか?
この記事では、実際に家づくりを経験した私が、
・見積もりの取り方
・見方やチェック方法
・他社との比較方法
・予算オーバーの対処法
について解説しています。
注文住宅の見積もりのやり方や注意点が全てわかるので、ぜひ読んでみてください。
60冊以上の家づくり本で勉強した後、一級建築士に外部コンサルを依頼して注文住宅を建てました。
もくじ
注文住宅の見積もりに記載される項目
注文住宅の見積書に記載される主な項目は、以下のとおりです。
▼本体工事費用
・仮設工事
・基礎工事
・木工事
・屋根外壁工事
・電気水道工事
・設備工事
・内装工事
・設計料
・工事監理料
…など
▼別途(付帯)工事費用
・解体工事
・地盤改良工事
・外構工事
・冷暖房設備工事
・照明器具工事
・カーテン工事
・ガス工事
…など
▼諸費用
・地盤調査費用
・建築確認申請料
・水道加入金
・契約印紙代
・登記費用
・地鎮祭費用
・上棟式費用
…など
本体工事は、家を建てる上で絶対に必要な工事であり、別途(付帯)工事は、必ずしも必要ではない工事になります。
なお、諸費用は、工事以外にかかる雑費になります。
注文住宅の見積もりを取る流れ
注文住宅の見積もりを取る流れは、以下の3ステップです。
・ステップ①概算見積:候補の業者を3社に絞る
・ステップ②詳細見積:候補の業者を1社に絞る
・ステップ③最終見積:工事請負契約を行う
ステップ①は、概算見積です。
これは、数ある業者の中から、候補を3社程度に絞るために行う見積もりです。
まず、公式サイトの情報などを元に、事前に絞った5〜6社くらいに、概算の見積を依頼します。
そして、間取りプランや見積書の内容を比較して、良いと思われる2〜3社くらいの業者を残します。
ステップ②は、詳細見積です。
これは、①で残した2〜3社の候補のうち、本命の1社を絞るために行う見積もりです。
より詳細な間取りプランや見積書を出してもらい、比較検討の上、最も良いと思われる1社を決定します。
ステップ③は、最終見積です。
これは、②で決定した本命の業者と、工事請負契約を行うためにする見積もりです。
正確な設計図を作ってもらい、それに合わせて正確な見積書も出してもらいます。
それで内容に問題がなければ、工事請負契約を結ぶという形になります。
これら①〜③のステップについて、それぞれ、見積もりの取り方やポイントを具体的に解説します。
ステップ①概算見積:候補の業者を3社に絞る
概算見積は、候補を3社程度に絞るために行う見積もりです。
概算見積を取るタイミング
概算見積を取るタイミングは、数ある業者の中から、5〜6社くらいの候補が絞れたときです。
まず、ハウスメーカーや工務店の公式サイトを見て、
・間取りの事例集
・デザインの方向性
・住宅設備や建材
・工法や住宅性能
・本体価格や坪単価
などから、良いと思う業者をピックアップします。
次に、住宅展示場や事務所に行き、
・ネットでは得られない情報
・営業担当者の性格や相性
などをチェックして、提案をお願いしたいと思える業者を、5〜6社くらいに絞ります。
こうなったタイミングで、概算見積を依頼するようにします。
概算見積の取り方
まず、事前に、家づくりの要望をノートやパソコンでまとめておきます。
そして、要望のまとめを、概算見積を取りたい業者の数だけ印刷して、コピーを準備します。
次に、業者にアポイントを取ります。
住宅展示場などで、営業担当者から名刺をもらっていると思うので、そこに書いてあるメールアドレスにメールします。
メールの文面としては、
◯◯と申します。先日はありがとうございました。間取りプランや概算見積書の作成をお願いしたいのですが、ご都合はいかがでしょうか?
といった感じでOKです。
日時を調整して、業者に会いに行ったら、コピーした要望のまとめを渡して、間取りプランと概算見積書の作成を依頼します。
注意点としては、概算見積を取りたい全ての業者に、同じ内容の要望のまとめを渡すようにすることです。
なぜなら、要望の条件が揃っていないと、各社の提案を比較することが難しくなるからです。
また、営業担当者がいろいろ質問してくるかもしれませんが、基本的には、
不明な点があればメールで連絡ください
と伝えて、話を切り上げるようにします。
その理由としては、やりとりを記録に残すためです。
要望のまとめに書いていない話になった場合、口頭のやりとりだけだと、後で「言った言わない」といったトラブルになる可能性があるからです。
後日、間取りプランや概算見積書ができたら、業者のほうから連絡があると思うので、日時を調整して会いに行きます。
提案の際は、まず担当者の話をひととおり聞いて、必要に応じてメモを取るようにします。
注意点としては、間取りプランや概算見積書に対して、その場で質問やコメントはしないようにすることです。
理由としては、まだ業者を選んでいる段階であり、相手にこちらの本音を伝えないようにするためです。
特に、概算見積書は、わざと予算オーバーで出してくる業者もいますが、余計なことをしゃべると、こちらの予算上限をバラすことに繋がります。
なので、提案の内容については、動揺せずに、その場で質問やコメントはしないようにしてください。
そして、
ご提案ありがとうございます。まずは持ち帰って確認させていただきます
と伝えて、終了するようにします。
もし、担当者が契約を急かしてくるような場合は、
他社にも提案をお願いしているので、比較検討させてください
と伝えるようにします。
概算見積の見方・チェック方法
まず、大きな区分として、
・本体工事費用
・別途(付帯)工事費用
・諸費用
の3つの費用と、それぞれの内訳が記載されているかをチェックしてください。
次に、一式表示でなく、明細見積書になっているかをチェックしてください。
要するに、「○○工事一式で○○万円」のような、ざっくりとした見積書ではなく、
・工事の内容
・材料の型番
・数量、単価
などが、細かく具体的に記載されているかということです。
さらに、「標準仕様一式」といった表示がある場合は、標準仕様の詳しい内訳があるかもチェックしてください。
これは、特にハウスメーカーに多いんですが、標準仕様に何がどこまで含まれているのかが明確でないと、後々トラブルの原因になるので、確認するようにします。
概算見積の他社との比較方法
概算見積を他社と比較する場合は、以下のように、エクセルなどで比較表を作ります。
▼本体工事費用 | ◯◯ハウス | △△ホーム |
建物本体工事 | 18,000,000 | 20,000,000 |
消費税 | 1,800,000 | 2,000,000 |
合計 | 19,800,000 | 22,000,000 |
▼別途工事費用 | ◯◯ハウス | △△ホーム |
地盤改良工事 | 1,000,000 | 800,000 |
外構工事 | 別途 | 2,500,000 |
冷暖房設備工事 | 800,000 | 500,000 |
◯◯◯ | ◯◯◯ | ◯◯◯ |
消費税 | 180,000 | 380,000 |
合計 | 1,980,000 | 4,180,000 |
▼諸費用 | ◯◯ハウス | △△ホーム |
地盤調査費用 | ??? | 40,000 |
建築確認申請料 | 0 | 0 |
水道加入金 | ? | ? |
契約印紙代 | 10,000 | 10,000 |
登記費用 | 300,000 | 150,000 |
地鎮祭費用 | 20,000 | 20,000 |
◯◯◯ | ◯◯◯ | ◯◯◯ |
合計 | 330,000 | 220,000 |
▼総費用・坪単価 | ◯◯ハウス | △△ホーム |
総費用 | 22,110,000 | 26,400,000 |
坪数 | 30 | 31 |
坪単価 | 737,000 | 851,613 |
見積書の様式は、業者によって違うと思いますが、
・本体工事費用
・別途(付帯)工事費
・諸費用
の3つの費用を中心に、なるべく項目を揃えるようにしてください。
さて、比較表を作ったら、まず、項目自体の明らかなヌケモレはないか?ということをチェックしてください。
例えば、
・仮設工事
・外構工事
・冷暖房設備工事
・照明器具工事
・カーテン工事
などです。
やり方としては、ある業者の見積書に記載されているのに、別の業者の見積書にはない、という項目を探していきます。
次に、見積書の中で「別途見積もり」などの項目がないか、チェックしてください。
例えば、
・外構工事
・地盤改良工事
・解体工事 ※建替の場合
などです。
こういった金額が大きい工事の費用は、「別途見積もり」になっていて、費用が計上されていない場合があるので、要注意です。
さらに、明らかに金額がおかしい項目はないか?ということをチェックしてください。
これは、比較表の項目を比較して、明らかに高すぎるor安すぎるという部分です。
そういった項目があれば、業者に確認するようにしてください。
そして最終的に、比較表で比較しても問題がなく、要望の実現度や坪数が同じくらいなら、単純に総額を比較するようにします。
要するに、全部コミコミで、どの業者が高いか安いか?ということです。
注意点として、比較表の項目ごとに細かい単価を比較しないようにしてください。
理由としては、業者によって、材料の原価だったり、利益をどこに乗せるかとかはバラバラだからです。
なので、明らかに高すぎるor安すぎるという項目以外は、細かく比較せず、総額のみを比較するようにします。
概算見積で予算オーバーしたとき
この時点の見積書は、本当にざっくりとした「たたき台」なので、あまり深刻に考える必要はありません。
こちらの予算上限を見極めるために、わざと大幅に高い見積書を出してくる業者もいるからです。
仮に、予算オーバーしていても、そもそも間取りプラン等がいまいちな業者であれば、候補から外して問題ありません。
なぜなら、一発目の提案でしっくりくる間取りプランを出せない業者は、その後で何度修正を依頼してもダメなことが多いからです。
一方で、間取りプラン等は良いけれど、少し予算オーバーしているくらいの業者は、候補に残してもOKです。
何度も言いますが、この時点の見積書は、あくまで「たたき台」なので、後でいくらでも金額を調整することが可能だからです。
要するに、間取りプラン等が良くて、頑張れば予算内に収まりそうな業者が2〜3社くらい残るのであれば問題ありません。
逆に、そうした候補が1社も残らない場合は、他の業者に概算見積を依頼し直すか、予算を再検討する必要があるでしょう。
ステップ②詳細見積:候補の業者を1社に絞る
詳細見積は、本命の1社を絞るために行う見積もりです。
詳細見積を取るタイミング
詳細見積を取るタイミングは、ステップ①の結果、2〜3社くらいの候補が絞れたときです。
つまり、提案された間取りプラン等が良くて、予算内に収まるか、頑張れば予算内に収まりそうな業者が2〜3社くらい残っている状態です。
こうなったタイミングで、詳細見積を依頼するようにします。
詳細見積の取り方
まず、事前に、候補の業者2〜3社の間取りプランや概算見積をチェックします。
そして、修正してほしい点や、気になった点があれば、箇条書きでリストアップしておきます。
間取りプランでは、
・伝えた要望が十分に反映されているか?
・要望にない設備などが追加されていないか?
・完成後の暮らしをイメージした時に問題ないか?
という点に着目してください。
見積書では、
・項目自体の明らかなヌケモレはないか?
・「別途見積もり」などとなっていないか?
・明らかに金額が高いor安い項目はないか?
という点に注意しましょう。
次に、業者にメールを送ります。
メールの文面としては、
先日はご提案ありがとうございました。御社の提案を前向きに検討させていただきたいと思います。つきましては、気になった点をお送りしますので、再度ご提案をいただければと思います。
といった感じでOKです。
こうしたメールを、候補の業者2〜3社全てに送ります。
後日、修正版の間取りプランや概算見積書ができたら、業者のほうから連絡があると思うので、日時を調整して会いに行きます。
提案を受ける際は、ステップ①と同じように、
・担当者の話をひととおり聞く
・必要に応じてメモを取る
・その場で質問やコメントはしない
という点に注意しつつ、
・持ち帰って確認させてほしい
・他社の提案と比較検討させてほしい
と伝えるようにしてください。
詳細見積の見方・チェック方法
見方やチェック方法は、ステップ①と同じです。
・本体工事費用などの内訳が記載されているか?
・一式表示でなく、明細見積書になっているか?
・標準仕様一式の場合は、詳しい内訳があるか?
という点に注意して、チェックしてください。
詳細見積の他社との比較方法
これも、比較方法は、ステップ①と同じです。
エクセルなどで比較表を作り、
・項目自体の明らかなヌケモレはないか?
・「別途見積もり」などとなっていないか?
・明らかに金額が高いor安い項目はないか?
という点に注意して、チェックしてください。
そして、要望の実現度や坪数が同じくらいなら、総額を比較しましょう。
要するに、全部コミコミで、どの業者が高いか安いか?ということです。
詳細見積で予算オーバーしたとき
候補のうち、1社でも予算内に入っていて、間取りプラン等も良ければ、その業者に決めてしまってもかまいません。
しかし、
・別の業者が良いが予算オーバーしている
・全ての業者で予算オーバーしている
という場合は、以下のようなメールを送ります。
先日はご提案ありがとうございました。正直に申しますと、御社の見積もりでは予算オーバーしてしまっており、このままでは候補から外れてしまいます。しかし、御社のご提案は、他社と比較しても気に入っているので、できれば御社にお願いしたいと考えております。つきましては、なるべく予算内に収めたいのですが、何か良いアイディアはありませんでしょうか?
このようにお願いされた場合、本当に良い業者だったら、こちらの予算内に収められるように、いろいろと知恵を出してくれるはずです。
もちろん、施主側も、優先順位の低い要望を削ったり、少し予算を増やしたりする努力も必要かもしれません。
しかし、そうやって互いに歩み寄れば、多くの場合、何とかなるはずです。
逆に、こちらがいくら誠実にお願いしても、真剣に向き合ってくれないような業者は、候補から外してもよいでしょう。
ステップ③最終見積:工事請負契約を行う
最終見積は、決定した本命の業者と、工事請負契約を行うためにする見積もりです。
最終見積を取るタイミング
最終見積を取るタイミングは、ステップ②の結果、本命の1社に絞られたときです。
ただし、正確に言えば、本命の1社とは、何度か打ち合わせを行って、プランや見積の修正を行う必要が出てきます。
そして、打ち合わせの結果、最終的にOKとなった状態の見積を「最終見積」と呼びます。
なので、最終見積を取るタイミングというのは存在せず、結果として、見積が最終版になる、というのが正しいです。
最終見積の取り方
すでに説明したとおり「最終見積の取り方」というよりも、打ち合わせを繰り返して、最終見積に仕上げていくという形になります。
具体的には、
・1.プランと見積を提案してもらう
・2.家に持ち帰ってチェックする
・3.気になった点をメールで送る
・4.再度、修正の提案をしてもらう
という流れで行います。
そして「これで完璧」と思えるようになるまで、1〜4を繰り返していきます。
なお、本命の1社に決めているので、事務所で打ち合わせをしても良いのでは?と考える人もいると思います。
しかし、事務所での打ち合わせは、
・時間をかけてチェックできない
・修正の要望をまとめて伝えにくい
・やりとりを記録に残しにくい
ことで、ヌケモレやトラブルが起きる可能性があるため、あまりおすすめしません。
最終見積の見方・チェック方法
基本的には、ステップ①や②と同じですが、この時点では、
・設計図:平面図、立面図、設備図、配線図など
・仕様書:仕上表、内装材や設備の資料など
といったものも出揃ってきているはずです。
それを踏まえて、設計図や仕様書では、
・伝えた要望が十分に反映されているか?
・要望にない設備などが追加されていないか?
・完成後の暮らしをイメージした時に問題ないか?
特に、
・動線や使い勝手は問題ないか?
・使わない部屋や場所はないか?
・部屋の広さは問題ないか?
・収納の数/位置/広さはどうか?
・家具や家電の配置は大丈夫か?
・コンセント/スイッチ/照明はどうか?
といった点をチェックするようにしてください。
一方、見積書では、
・本体工事費用などの内訳が記載されているか?
・一式表示でなく、明細見積書になっているか?
・標準仕様一式の場合は、詳しい内訳があるか?
・項目自体の明らかなヌケモレはないか?
・「別途見積もり」などとなっていないか?
・建材や設備の仕様、型番などは要望どおりか?
といった点を、念入りに確認しましょう。
そして、最終的に、設計図や見積書の内容に問題がなければ、工事請負契約を結ぶという形になります。
めんどくさい概算見積を簡単に取る方法
この記事では、3つの見積書の取り方について説明してきました。
その中でも、特にめんどくさいのが、概算見積の入手です。
・1社ずつ業者に会って見積をもらうのは、時間や労力がかかる…
・毎回毎回、同じ話を伝えなければならないので疲れる…
という人も少なくないと思います。
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