こんなお悩みに答えます。
こんにちは。家づくりを経験した「とある東北人」です。
注文住宅を建てる上で、
・土地だけ先に押さえるのはあり?
・住宅ローンは使える?現金払い?
・固定資産税などの税金ってどうなる?
と悩む人も少なくないでしょう。
本記事では、そんな人に役立つ「土地だけ先に購入するメリット・デメリット」をご紹介したいと思います。
土地だけ先に購入するデメリット
個人的には「土地だけを先に買うのは微妙」だと思います。
それは、下記の7つのデメリットがあるからです。
・1.希望の家が建てられないリスク
・2.建物の予算が減る可能性がある
・3.住宅ローン選びが不利になる
・4.建物がないのにローン返済開始
・5.現金購入の場合は貯金が減る
・6.住宅ローン控除が使えない
・7.固定資産税などの税金がかかる
これらについて、1つずつ説明します。
1.希望の家が建てられないリスク
1つ目のデメリットは「希望の家が建てられないリスク」があることです。
いくら土地の立地や周辺環境が良くても、
・面積が狭い
・高さ制限がある
・建ぺい率や容積率が小さい
といったことが、設計のときに問題になるかもしれません。
その場合、要望どおりの家が建てられなかったり、大幅に妥協する可能性があります。
これは、土地だけを先に購入する場合の大きなリスクの1つです。
2.建物の予算が減る可能性がある
2つ目のデメリットは「建物の予算が減る可能性がある」ことです。
良いと思った土地でも「想定+200万円」など、金額が高いという場合があります。
中には、多少高くても買ったほうがいいと思う人もいるかもしれません。
しかしその分、建物の予算が減るので、要望の変更や妥協が必要になります。
都市部と地方とでは地価が違うので、一概には言えませんが、
土地の予算を控えめにし、建物に余裕をもたせる
ほうが上手くいく場合が多いです。
3.住宅ローン選びが不利になる
3つ目のデメリットは「住宅ローン選びが不利になる」ことです。
土地だけを先に買う場合、普通の住宅ローンは原則使えないため、
・つなぎ融資
・土地先行融資
といったローンを利用することになります。
しかし、これらのローンには、
・普通の住宅ローンより金利が高い
・取り扱う金融機関が多くない
といった問題があるため、住宅ローン選びでは不利な選択となります。
4.建物がないのにローン返済開始
4つ目のデメリットは「建物がないのにローンの返済が開始」することです。
土地だけ購入しても、建物が完成しないうちは引っ越せないため、
土地のローン返済
+
現在の家賃の支払い
と二重の支払いになり、家計がかなり圧迫されます。
業者選びや打ち合わせ、工事などが長引けば長引くほど、無駄な家賃の支払いが増えるため、精神的にもきつくなります。
5.現金購入の場合は貯金が減る
5つ目のデメリットは「現金購入の場合は貯金が減る」ことです。
土地を現金で買った場合は、貯金が減るため、
・住宅ローンの自己資金が少なくなる
・諸費用の支払いが困難orきつくなる
・もしものときに貯金が足りなくなる
といった問題が出てきます。
建物で住宅ローンを使う場合に自己資金が少ないと、総返済額が増える、金利の優遇が受けられないなど不利になります。
また、建築に関わる諸費用は現金払いなのですが、その支払いも大変になります。
さらに、生活で急に大きな出費があった際、貯金が底をつく可能性もあります。
6.住宅ローン控除が使えない
6つ目のデメリットは「住宅ローン控除が使えない」ことです。
住宅ローン控除は、あくまで「住宅」のための制度なので、土地の購入だけでは原則使えません。
ただし、
・土地の購入から2年以内に住宅ローンを使って家を建てる
・土地と住宅を一緒に、同一名義で住宅ローンを組んでいる
・建築条件付き土地の購入後、3ヶ月以内に工事請負契約をする
などの場合は、例外的に住宅ローン控除を利用できます。
しかし、条件に当てはまらない場合は、土地だけの購入は不利になります。
7.固定資産税などの税金がかかる
7つ目のデメリットは「固定資産税などの税金がかかる」ことです。
土地を購入すると、
・印紙税
・登録免許税
・不動産取得税
・固定資産税
・都市計画税
など、様々な税金が発生します。
このうち、
・印紙税
・登録免許税
・不動産取得税
は購入時に1度だけ払うので、土地だけ先に買っても、建物と一緒に買っても同じです。
しかし、
・固定資産税
・都市計画税
は、土地を所有してから毎年払うため、土地だけ先に購入すると、建物を建てるまでの期間の支払いが無駄になってしまいます。
土地だけ先に購入するメリット
土地だけを先に買うメリットも確かにありますが、
・1.チャンスを逃さずに済む
・2.業者選びがスムーズになる
・3.建物をじっくり考えられる
の3つ程度であり、あまり大きなものではありません。
それぞれについて、説明したいと思います。
1.チャンスを逃さずに済む
1つ目のメリットは「チャンスを逃さずに済む」ことです。
つまり、
欲しいと思った土地を欲しいと思ったときに買える
ということであり、一番のメリットであると考えられます。
しかし、本当に良い土地は、すぐに見つかるものではありません。
むしろ、「これしかない!」と思って土地を購入した結果、
・要望どおりの家が建てられない
・土地が高くて建物の予算が足りない
というリスクがあるため、あせらずに進めたほうが良いと思います。
2.業者選びがスムーズになる
2つ目のメリットは「業者選びがスムーズになる」ことです。
すでに土地がある人は、手間も少なく契約に近いため、施工会社の反応が良くなります。
建物プランや見積書をすぐに作ってもらえるので、業者の比較検討もしやすくなるでしょう。
ただし、土地探しの段階から施工会社の意見を聞いたり、土地をチェックしてもらったりということができないため、
・土地の安全性に問題がある
・要望どおりの家が建てられない
というトラブルが後々発生する場合があります。
3.建物をじっくり考えられる
3つ目のメリットは「建物をじっくり考えられる」ことです。
すでに土地を購入していれば、他人に取られる心配がありません。
なので、建物のプラン作成に時間をかけることができます。
ただし、いざ建物を設計しようとしたところ、
・要望どおりの家が建てられない
・大幅に妥協しなくてはいけない
ということが判明する可能性もあるので、やはり、土地と建物はセットで考えたほうが良いでしょう。