こんなお悩みに答えます。
もくじ
こんにちは。家づくりを経験した「とある東北人」です。
私があるハウスメーカーの話を聞いたとき、
うちは「布基礎」を採用しています。
という回答がありました。
それまで訪れた業者では、どこも「ベタ基礎」を採用しており、
ベタ基礎 = 地面と接する面積が大きい = なんとなく安心
と思っていたので、「布基礎って、なんかヤバイのでは…?」と少し不安になったんですね…笑。
そもそも、「基礎」に対しては全くのノーマークで、知識もありませんでした。
しかし、家づくりの知識が増えるにつれて、「基礎」に対する理解も進み、最終的に「納得のいく家づくり」ができました。
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【家を建てる】家づくりの本&雑誌おすすめ20選【注文住宅の勉強】
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本記事では、そんな私の経験をもとに、「ハウスメーカーの基礎の比較」や「強い基礎を作るためのポイント」についてお伝えしたいと思います。
ハウスメーカーの基礎比較 (76社)
ハウスメーカーの基礎の比較は、下記のとおりです。
※なお、基礎以外にも「業者選びで大切なポイント」がいくつかあります。詳しくは、下記の記事を参考にしてください。
業者名 | 構造・工法 | 基礎 | 備考 | 参考URL |
---|---|---|---|---|
アイダ設計 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
アイフルホーム | 木造軸組 | 布基礎、ベタ基礎 | 地盤によって変更 | こちら |
アエラホーム | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
アキュラホーム | 木造軸組 | 布基礎、ベタ基礎 | 地盤によって変更 | こちら |
旭化成ホームズ(ヘーベルハウス) | 鉄骨系プレハブ、重量鉄骨 | 布基礎 | こちら | |
アーデンホーム | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | 地盤によって変更 | こちら |
飯田産業 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
イシカワ | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
イシンホーム住宅研究会 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
一条工務店 | 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6) | 布基礎、ベタ基礎 | 地盤によって変更 | こちら |
イノスグループ | 木造軸組 | 布基礎、ベタ基礎 | 地盤によって変更 | こちら |
インデュアホーム | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
ウィザースホーム | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
エイ・ワン | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
エースホーム | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
FPの家 | 木造軸組 | ベタ基礎、布基礎 | こちら | |
カネカソーラーサーキットのお家 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
菊池建設 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
木下工務店 | 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
クレバリーホーム | 木造軸組 | ベタ基礎 | 改正省エネ基準の地域区分1・2地域は布基礎となります。 | こちら |
サイエンスホーム | 木造軸組 | ベタ基礎(スラブ基礎) | スラブ基礎は立ち上がり部分がない。長期優良住宅はベタ基礎。 | こちら |
サンヨーホームズ | 鉄骨系プレハブ | 布基礎 | こちら | |
GLホーム | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
ジブンハウス | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
秀光ビルド | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
住宅情報館 | 木造軸組 | ベタ基礎(スラブシステム基礎) | こちら | |
スウェーデンハウス | 木質パネル | 布基礎 | こちら | |
Skog(スコーグ)のいえ | 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6) | 不明 | - | |
住友不動産 | 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
住友不動産CITY HOUSE STYLE | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
住友林業 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
セキスイハイム | 鉄骨系プレハブ、枠組壁工法(2×6) | ベタ基礎 | 建築タイプや地域によって仕様が異なる場合があります。 | こちら |
積水ハウス | 木造軸組、鉄骨系プレハブ、重量鉄骨 | 布基礎 | こちら | |
セルコホーム | 枠組壁工法(2×4、2×6) | 布基礎、ベタ基礎 | 地盤によって変更 | こちら |
センチュリーホーム | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
泉北ホーム | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
大共ホーム | 枠組壁工法(2×4、2×6) | 布基礎? | こちら | |
大成建設ハウジング(パルコン) | コンクリート系プレハブ | ベタ基礎、布基礎 | 一般的な地域では主にベタ基礎を採用。傾斜地や寒冷地では高低差や凍結深度を考慮し、布基礎を適宜採用します。 | こちら |
ダイワハウス(鉄骨系) | 鉄骨系プレハブ、重量鉄骨 | 布基礎 | こちら | |
ダイワハウス(木質系) | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
タマホーム | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
土屋ホーム | 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6) | 布基礎、ベタ基礎 | 北海道地区では布基礎構造、本州地区ではベタ基礎構造 | こちら |
トヨタウッドユーホーム | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
トヨタホーム | 鉄骨系プレハブ | 布基礎 | こちら | |
ナイス | 木造軸組 | 布基礎、ベタ基礎 | 地盤によって変更 | こちら |
納得スタイルホーム | 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
日本ハウスHD (旧:東日本ハウス) | 木造軸組 | ベタ基礎? | こちら | |
一建設 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
パナソニック ホームズ | 鉄骨系プレハブ | 布基礎 | こちら | |
パナソニックビルダーズグループ 芙蓉ホーム | 木造軸組 | 不明 | - | |
パパまるハウス | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
桧家住宅 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
百年住宅 | RC | ベタ基礎 | こちら | |
広島建設 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
フィアスホーム | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
フェニーチェホーム | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
富士住建 | 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
フジ住宅 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
ブルースホーム | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
古河林業 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
フローレンスガーデン(工藤建設) | 枠組壁工法(2×6) | ベタ基礎? | こちら | |
ベツダイホーム | 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
北洲ハウジング | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
ポラス | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
ミサワホーム(鉄骨系) | 鉄骨系プレハブ、重量鉄骨 | 布基礎 | こちら | |
ミサワホーム(木質系) | 木造軸組、木質パネル | 布基礎、ベタ基礎 | 地盤によって変更 | こちら |
三井ホーム | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
三菱地所ホーム | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
無印良品の家 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
無添加住宅 | 木造軸組、RC | ベタ基礎 | こちら | |
メープルホームズ | 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
ヤマダホームズ | 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6)、木質パネル | ベタ基礎 | こちら | |
ヤマト住建 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
ユニバーサルホーム | 木造軸組 | SRC基礎 | 砂利を敷き詰めて、その上にコンクリートの面を作る基礎。 | こちら |
夢ハウス | 木造軸組 | 不明 | - | |
レオハウス | 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6) | 布基礎?ベタ基礎? | 地盤状態や周辺環境を調査し、最適な基礎仕様を選定します。 | こちら |
レスコハウス | RC | 布基礎? | こちら | |
ロイヤルハウス | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら |
「ベタ基礎がメイン」のハウスメーカー
出典:クレバリーホーム
「ベタ基礎がメイン」のハウスメーカーを抜き出すと、下記のとおりです。
大半のハウスメーカーが「ベタ基礎をメイン」にしていることがわかります。
※なお、基礎以外にも「業者選びで大切なポイント」がいくつかあります。詳しくは、下記の記事を参考にしてください。
業者名 | 構造・工法 | 基礎 | 備考 | 参考URL |
---|---|---|---|---|
アイダ設計 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
アエラホーム | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
アーデンホーム | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | 地盤によって変更 | こちら |
飯田産業 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
イシカワ | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
イシンホーム住宅研究会 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
インデュアホーム | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
ウィザースホーム | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
エイ・ワン | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
エースホーム | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
カネカソーラーサーキットのお家 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
菊池建設 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
木下工務店 | 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
クレバリーホーム | 木造軸組 | ベタ基礎 | 改正省エネ基準の地域区分1・2地域は布基礎となります。 | こちら |
サイエンスホーム | 木造軸組 | ベタ基礎(スラブ基礎) | スラブ基礎は立ち上がり部分がない。長期優良住宅はベタ基礎。 | こちら |
GLホーム | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
ジブンハウス | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
秀光ビルド | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
住宅情報館 | 木造軸組 | ベタ基礎(スラブシステム基礎) | こちら | |
住友不動産 | 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
住友不動産CITY HOUSE STYLE | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
住友林業 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
セキスイハイム | 鉄骨系プレハブ、枠組壁工法(2×6) | ベタ基礎 | 建築タイプや地域によって仕様が異なる場合があります。 | こちら |
センチュリーホーム | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
泉北ホーム | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
ダイワハウス(木質系) | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
タマホーム | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
トヨタウッドユーホーム | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
納得スタイルホーム | 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
日本ハウスHD (旧:東日本ハウス) | 木造軸組 | ベタ基礎? | こちら | |
一建設 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
パパまるハウス | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
桧家住宅 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
百年住宅 | RC | ベタ基礎 | こちら | |
広島建設 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
フィアスホーム | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
フェニーチェホーム | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
富士住建 | 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
フジ住宅 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
ブルースホーム | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
古河林業 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
フローレンスガーデン(工藤建設) | 枠組壁工法(2×6) | ベタ基礎? | こちら | |
ベツダイホーム | 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
北洲ハウジング | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
ポラス | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
三井ホーム | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
三菱地所ホーム | 枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
無印良品の家 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
無添加住宅 | 木造軸組、RC | ベタ基礎 | こちら | |
メープルホームズ | 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6) | ベタ基礎 | こちら | |
ヤマダホームズ | 木造軸組、枠組壁工法(2×4、2×6)、木質パネル | ベタ基礎 | こちら | |
ヤマト住建 | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら | |
ロイヤルハウス | 木造軸組 | ベタ基礎 | こちら |
「布基礎がメイン」のハウスメーカー
出典:ミサワホーム
「布基礎がメイン」のハウスメーカーを抜き出すと、下記のとおりです。
「布基礎」は、鉄骨系のハウスメーカーに多いようです。
※なお、基礎以外にも「業者選びで大切なポイント」がいくつかあります。詳しくは、下記の記事を参考にしてください。
業者名 | 構造・工法 | 基礎 | 参考URL |
---|---|---|---|
旭化成ホームズ(ヘーベルハウス) | 鉄骨系プレハブ、重量鉄骨 | 布基礎 | こちら |
サンヨーホームズ | 鉄骨系プレハブ | 布基礎 | こちら |
スウェーデンハウス | 木質パネル | 布基礎 | こちら |
積水ハウス | 木造軸組、鉄骨系プレハブ、重量鉄骨 | 布基礎 | こちら |
大共ホーム | 枠組壁工法(2×4、2×6) | 布基礎? | こちら |
ダイワハウス(鉄骨系) | 鉄骨系プレハブ、重量鉄骨 | 布基礎 | こちら |
トヨタホーム | 鉄骨系プレハブ | 布基礎 | こちら |
パナソニック ホームズ | 鉄骨系プレハブ | 布基礎 | こちら |
ミサワホーム(鉄骨系) | 鉄骨系プレハブ、重量鉄骨 | 布基礎 | こちら |
レスコハウス | RC | 布基礎? | こちら |
「布基礎」と「ベタ基礎」ではどちらがいい?
ここからは、「布基礎」と「ベタ基礎」について、
・違い
・メリット・デメリット
・どちらがいいか
ということについて、お伝えしたいと思います。
そもそも「基礎」とは?
基礎とは、地面(地盤)と建物の間にあるコンクリートの部分で、建物全体を支える構造のことをいいます。
「布基礎」とは?
出典:ミサワホーム
布基礎とは「線で家を支える」ような基礎をいいます。
断面がアルファベットの「T」の字を逆さまにしたような形になっています。
床下にもコンクリートを敷く場合が多いですが、鉄筋は入っていません。
「ベタ基礎」とは?
出典:クレバリーホーム
ベタ基礎とは「面で家を支える」ような基礎をいいます。
床下のコンクリートにも鉄筋が入っています。
布基礎とベタ基礎のメリット・デメリット
布基礎とベタ基礎のメリット・デメリットは下記のとおりです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
布基礎 | ・安い | ・腐食や害虫被害に弱い ・沈下しやすい |
ベタ基礎 | ・腐食や害虫被害に強い ・沈下しにくい |
・高い |
まず、「費用」の面では、布基礎が安く、ベタ基礎が高いです。
線で作る布基礎に比べ、面で作るベタ基礎の方が「使うコンクリートと鉄筋の量が多い」からです。ベタ基礎は床下コンクリートにも鉄筋が入っています。
次に、「腐食や害虫被害」に対する強さが違います。
ベタ基礎は床下コンクリートがあり、地面がむき出しになっていません。
一方、布基礎でも床下にもコンクリートを敷く場合が多いですが、たまに「地面がむき出し」だったり、「防水シートのみ」という業者もいます。
この場合、地面からの湿気がたまって構造材が腐ったり、シロアリなどの虫が発生したりする可能性があるため、チェックが必要です。
さらに、「基礎の沈下のしにくさ」が違います。
地盤が弱い場合、「線」で家を支える布基礎は、基礎が地面に食い込みやすく、部分的に沈下を起こしてしまう可能性があります。これを不同沈下といいます。
一方、「面」で家を支えるベタ基礎は、基礎が地面に食い込みにくく、不同沈下を起こしにくいと考えられています。
【結論】布基礎・ベタ基礎はどちらでもよい
布基礎・ベタ基礎のメリット・デメリットを説明してきましたが、結論は「どちらの基礎でもよい」のです。
というか、「最適な基礎を選ぶ」ということに尽きます。
理由は2つあります。
1つ目。結局は「地盤」によるからです。
例えば、標準で布基礎を採用している業者であっても、地盤調査の結果、軟弱地盤であることがわかったら、「ベタ基礎に変更」となる場合があります。
※あまりに地盤が弱いときは、地盤そのものにセメントを入れて固めたり、杭を打ったりして「地盤改良」する可能性もあります。
逆に、良好な地盤であれば、布基礎で十分な場合もあります。また、寒冷地や傾斜地などでは布基礎の方が適していることもあります。
2つ目。基礎は「建物の重さ」や「地震で受ける力」の計算で決まるからです。
例えば、鉄骨系の住宅は基本的に「布基礎」を使っています。
その理由は、鉄骨は木造に比べて「家そのものが重く」「地震の際に基礎に大きな力が加わる」からです。
基礎の立ち上がり部分は、
・ベタ基礎:45cm程度
・布基礎:65cm程度
となっており、立ち上がり部分が高い方が、より強い力を受けることができるのです。
以上のように、家を建てる際は、
・地盤の強さ
・建物の重さ
・地震で受ける力
などといったことを計算して、最適な基礎を決めていきます。
なので、「布基礎か?ベタ基礎か?」という議論は、実はナンセンスな話なのです。
強い基礎を作るためのポイント
「布基礎か?ベタ基礎か?」ということよりも、実際は「強い基礎が作られているか?」ということの方が重要です。
「強い基礎を作るためのポイント」には、
1. コンクリートの強度補正
2. 水セメント比
3. 雨や雪の対策
4. 養生期間
5. かぶり厚さ
6. 鉄筋の太さ
7. 鉄筋の間隔
8. 鉄筋への付着物
9. ひび割れ
といったものが挙げられます。
少し専門的な話になりますが、なるべく簡単に説明していきたいと思います。
1. コンクリートの強度補正
コンクリートは、型枠に流し込んでから数日である程度は固まるのですが、本来の強度が出るのには、1ヶ月ほどかかるとされています。
なので、型枠に流し込んでから「28日目の強度」をそのコンクリートの強度とし、一般には「18〜21N/mm2」という基準の強度が求められています。
※強度の単位はニュートン・パー・平方ミリメートルと読みます。
しかし、コンクリートは非常にデリケートな材料で、気温が低すぎても高すぎても、本来の強度が出にくくなってしまいます。
そのため、温度によって、基準の強度よりも強い
・24〜27N/mm2:冬と真夏の時期
・21〜24N/mm2:それ以外の時期
のコンクリートを使用するという、「強度補正」をしたほうが良いとされています。
「強度補正」はしなくても違法ではないのですが、している業者は優良であると判断できます。
2. 水セメント比
コンクリートは、
・水
・セメント
・砂、砂利
などでできています。
このうち、「水の重さ÷セメントの重さ」を「水セメント比」といいます。
※単位はパーセント(%)です。
で、コンクリートは「水セメント比が大きい」ほど、つまり「含まれる水分が多い」ほど強度や耐久性が落ちてしまうのです。
なので、使われる「水セメント比」が小さいほうが、強い基礎を作ることに繋がります。
※水セメント比は、55%未満くらいが良いようです。
3. 雨や雪の対策
コンクリートを型枠に流し込む前後で、雨や雪の対策は重要です。
これまで説明したとおり、水分や温度でコンクリートの強度が変化してしまうためです。
そのため、
・降水確率が高いときに基礎工事をしない
・ブルーシートをかけて雨や雪があたらないようにする
・冬は温度が低くなりすぎないようにする
といったことがポイントになります。
4. 養生期間
コンクリートを型枠に流し込んでから、ある程度固まるまで、型枠を外さないでおきます。
これを「養生期間」というのですが、気温の違いによって、
・冬の時期:5〜6日以上
・それ以外の時期:2〜3日以上
と必要な日数が変わってきます。
この「養生期間」をどのくらいとっているか、時期によって変えているか、業者に聞いてみましょう。
5. かぶり厚さ
「かぶり厚さ」とは、鉄筋を覆うコンクリートの厚さのことです。
建築学会が出している「JASS5」の仕様には、下記のように定められています。
部位 | 仕上げあり(mm) | 仕上げなし(mm) | 施行令に定める値(mm) | ||
---|---|---|---|---|---|
土に接しない部分 | ・床スラブ ・屋根スラブ ・非耐力壁 |
屋内 | 30以上 | 30以上 | 20以上 |
屋外 | 30以上 | 40以上 | |||
・柱 ・梁 ・耐力壁 |
屋内 | 40以上 | 40以上 | 30以上 | |
屋外 | 40以上 | 50以上 | |||
・擁壁 | 50以上 | 50以上 | - | ||
土に接する部分 | ・柱 ・梁 ・床スラブ ・壁 ・布基礎の立ち上がり |
- | 50以上(※) | 40以上 | |
・基礎 ・擁壁 |
70以上(※) | 70以上(※) | 60以上 |
※軽量コンクリートの場合は、10mm増しの値とする。
上記の表のように、基礎の部位によって厚さが異なりますが、基準に満たないと「強度」と「耐久性」を十分に出せないのです。
特に、鉄筋は空気に触れるとサビが進行してしまうため、それを守る意味でも「かぶり厚さ」が必要なのです。
6. 鉄筋の太さ
鉄筋は、太さ(直径)が「10mm」または「13mm」のものが使われます。
基礎の図面には、それぞれ「D10」または「D13」と書かれていると思います。
それらが図面通りに使われているか、チェックしてみましょう。
7. 鉄筋の間隔
鉄筋は、「200mm」〜「300mm」の間で均等に配置されるのが一般的です。
この鉄筋の間隔が
・近づきすぎている
・離れすぎている
・均等に配置されていない
といった場合は、基礎の強度が落ちてしまう原因になるので、注意が必要です。
8. 鉄筋への付着物
立ち上がり部分のコンクリートを流し込む前に、組み上がった鉄筋に
・型枠に塗る剥離剤
・床下コンクリートのカス
などが付いていると、鉄筋からコンクリートが抜けやすくなり、強度が落ちてしまいます。
これらの付着物がないか確認が必要です。
9. ひび割れ
コンクリートのひび割れには2種類あります。
1つ目は、コンクリートから水分が抜けて固まっていく際に出来てしまうひび割れです。
これはコンクリートの性質上、完全に無くすことは難しいのですが、仮に出来てしまったとしても、後から補修することが可能で、大きな問題はありません。
2つ目は、施工不良のために出来てしまうひび割れです。かぶり厚さが不足したり、部分的に地盤が沈下したために起きることがあります。
この場合は、基礎の強度や耐久性に問題がある可能性があるので、確認が必要です。
第三者機関に検査してもらうのも手
「強い基礎を作るためのポイント」をご紹介してきましたが、実際に施主がチェックするのは困難です。
そんなときは、「第三者機関」に検査してもらうのも手です。
第三者機関の検査には、
1. 住宅性能表示制度を使う
2. ホームインスペクションを依頼する
という2つのパターンがあります。
1. 住宅性能表示制度を使う
「住宅性能表示制度」とは、耐震性能や断熱性能などの住宅の性能を、第三者機関が公的に評価する制度です。
基礎に対する検査はもちろん、
・構造の安定
・火災時の安全
・劣化の軽減
・維持管理・更新への配慮
・温熱環境・エネルギー消費量
・空気環境
・光・視環境
・音環境
・高齢者等への配慮
・防犯
といった、住宅に関する10の分野についての検査・評価を受けることができます。
2. ホームインスペクションを依頼する
ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場から、また専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行なう専門業務を指します。
ホームインスペクションでは、中古住宅の診断を行うのが一般的ですが、新築のチェックをしてくれる専門家もいます。
工事から引き渡しまで立ち会ってくれる専門家を探して、お願いしてみるのもありでしょう。
日本ホームインスペクターズ協会のサイトから探すのが便利です。
Q.ハウスメーカーや工務店で「第三者検査を行う」と言ってますが…?
おそらく、「日本住宅保証検査機構(JIO)」などの「指定確認検査機関」の検査だと思います。
これは確かに第三者検査なのですが、実際は「かなり緩い検査」なのです。
その実態を、「絶対に後悔しないハウスメーカー&工務店選び」という本から引用します。
指定確認検査機関は、ビジネスで建築確認の審査を実施しています。利益を生んでナンボの世界です。となれば、審査機関は、一つでも多くの確認申請を受理して検査したい。それには、申請してくれるハウスメーカーや工務店などの「お客様」を多く抱えなければなりません。お客様に厳しいことを言ったり、審査基準を厳しくしたら……当然、別の審査機関に申請を出すようになりますよね?もしも審査の緩い機関があるのなら、そちらに確認申請を提出したほうが、ハウスメーカーや工務店にとってはいい。当然そうなります。つまりは、いくら「指定確認検査機関」や「第三者検査」などと言っていても結局はしがらみのあるビジネスどまり。だから問題は減らないのです。
一方、「住宅性能表示制度」や「ホームインスペクション」は、上記の「緩い第三者検査」とは違って、「施主の立場に立った検査」をしてくれるので信頼できます。
【まとめ】ハウスメーカー(工務店)選びで失敗しないために
本記事では、「ハウスメーカーの基礎の比較」や「強い基礎を作るためのポイント」についてお伝えしてきました。
まとめると、下記のとおりです。
・ハウスメーカーによって扱う基礎はさまざま
・「布基礎」と「ベタ基礎」を比較するのはナンセンス
・基礎は「地盤の強さ」「建物の重さ」などによって決まる
・強い基礎を作るポイントはあるが、素人がチェックするのは困難
・基礎のチェックは第三者機関に検査してもらうのも手
業者選びで失敗しないためには、これらのポイントに注意しましょう。
また、基礎以外にも「業者選びで大切なポイント」がいくつかあります。
詳しくは、下記の記事を参考にしてください。
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